「昨年に比べるとよくなかったです。体重を増やしすぎてキレがなくなったかわからないですけど、154キロは出ましたが、納得のいくシーズンではなかった」。
ロッテ・永野将司のプロ2年目は悔しいものとなった。開幕は二軍スタートも、ファームでは開幕直後に抑えを任されるなど、勝ち試合の登板が多かった。当時、永野は「今だったらセーブシチュエーションでしっかりゼロで抑えられるように準備しています」と頼もしい言葉が返ってきた。
3・4月は9試合に登板して、1勝3セーブ、防御率1.80。5月に入ってからは6日の日本ハム戦で「気持ちは一人目のバッターが大事だと思うので、入りに気をつかってやっていました。3イニング目はずっと投げていなかったので、体力的には課題。短いイニングならいけるんですけど、長いイニングはまだやることがいっぱいあると思います」とロングリリーフの練習を兼ねて3イニングを投げた。
この登板以降は、再び短いイニングでの登板だったが、制球が乱れてストレートのスピードが出なくなる時期があった。6月26日の巨人との二軍戦から腕を振っていこうと意識し、7月6日の楽天との二軍戦では社会人時代に記録した最速タイとなる154キロをマークするなど、復調の兆しを見せた。本人も「プロに入ってから一番よかった。その感覚を忘れないようにしたい」と話すほどの納得のいくストレートだった。
7月9日に今季初昇格。「やってきたことをやろうと思いました」と意気込んだが、登板機会がなく7月11日に一軍登録を抹消された。8月7日に再昇格し、2試合に登板し2回を無失点に抑えたが、再び8月12日に抹消。11日後の8月23日に3度目の昇格を果たすも、3試合を投げて二軍落ち。
結局、その後は再昇格を果たすことなくシーズンを終えた。一軍での登板を経験して永野は「空振り取れるボールがなかったので、苦労しました」と話し、「速い変化球が必要だなと思いました。1球とか2球で。球数が多くなったので苦しかったです」と自己分析した。ちなみに、シーズン中にカットボールの習得に乗り出していたが、「投げられていないです」とシーズン中に投げることはなかった。
ファームで長い期間見てきた小野晋吾二軍投手コーチは、今季の永野をどのように見ていたのだろうか--。
「下半身が安定していないというか、下半身の弱さが、ボールが安定しないところに繋がっているのかなと思っている。ただストレートをしっかり投げ込めるようにと、自分で気がつけていたし、フェニックスでしっかり課題をもって取り組んでいた。自分の特徴というものを出していけるように、それを再認識できたんじゃないかなと思います。トレーニングからしっかり意識をもって取り組んでくれれば、もっともっと凄い球を投げられるはず」。
球界を見渡しても左で150キロを超えるボールを投げるリリーフは、ソフトバンク・モイネロ、DeNA・エスコバー、中日・ロドリゲスといった外国人が多く、日本人の左腕はそこまで多くない。「持ち味を消さないように強いまっすぐをかわれて入った。速いボールを活かしていきたい」と意気込む。
「与えられた役割をしっかり果たせるように、今年より一軍で多く投げられるように頑張りたいです」。日本シリーズを見ても日本一となったソフトバンクの救援陣は150キロを連発するリリーフ陣ばかりだった。150キロを超えるストレートを投げることのできる永野が、一軍に定着できれば、マリーンズのリリーフ陣は強固なものとなる。来季こそポジションを掴みたいところだ。
取材・文=岩下雄太
ロッテ・永野将司のプロ2年目は悔しいものとなった。開幕は二軍スタートも、ファームでは開幕直後に抑えを任されるなど、勝ち試合の登板が多かった。当時、永野は「今だったらセーブシチュエーションでしっかりゼロで抑えられるように準備しています」と頼もしい言葉が返ってきた。
3・4月は9試合に登板して、1勝3セーブ、防御率1.80。5月に入ってからは6日の日本ハム戦で「気持ちは一人目のバッターが大事だと思うので、入りに気をつかってやっていました。3イニング目はずっと投げていなかったので、体力的には課題。短いイニングならいけるんですけど、長いイニングはまだやることがいっぱいあると思います」とロングリリーフの練習を兼ねて3イニングを投げた。
この登板以降は、再び短いイニングでの登板だったが、制球が乱れてストレートのスピードが出なくなる時期があった。6月26日の巨人との二軍戦から腕を振っていこうと意識し、7月6日の楽天との二軍戦では社会人時代に記録した最速タイとなる154キロをマークするなど、復調の兆しを見せた。本人も「プロに入ってから一番よかった。その感覚を忘れないようにしたい」と話すほどの納得のいくストレートだった。
7月9日に今季初昇格。「やってきたことをやろうと思いました」と意気込んだが、登板機会がなく7月11日に一軍登録を抹消された。8月7日に再昇格し、2試合に登板し2回を無失点に抑えたが、再び8月12日に抹消。11日後の8月23日に3度目の昇格を果たすも、3試合を投げて二軍落ち。
結局、その後は再昇格を果たすことなくシーズンを終えた。一軍での登板を経験して永野は「空振り取れるボールがなかったので、苦労しました」と話し、「速い変化球が必要だなと思いました。1球とか2球で。球数が多くなったので苦しかったです」と自己分析した。ちなみに、シーズン中にカットボールの習得に乗り出していたが、「投げられていないです」とシーズン中に投げることはなかった。
ファームで長い期間見てきた小野晋吾二軍投手コーチは、今季の永野をどのように見ていたのだろうか--。
「下半身が安定していないというか、下半身の弱さが、ボールが安定しないところに繋がっているのかなと思っている。ただストレートをしっかり投げ込めるようにと、自分で気がつけていたし、フェニックスでしっかり課題をもって取り組んでいた。自分の特徴というものを出していけるように、それを再認識できたんじゃないかなと思います。トレーニングからしっかり意識をもって取り組んでくれれば、もっともっと凄い球を投げられるはず」。
球界を見渡しても左で150キロを超えるボールを投げるリリーフは、ソフトバンク・モイネロ、DeNA・エスコバー、中日・ロドリゲスといった外国人が多く、日本人の左腕はそこまで多くない。「持ち味を消さないように強いまっすぐをかわれて入った。速いボールを活かしていきたい」と意気込む。
「与えられた役割をしっかり果たせるように、今年より一軍で多く投げられるように頑張りたいです」。日本シリーズを見ても日本一となったソフトバンクの救援陣は150キロを連発するリリーフ陣ばかりだった。150キロを超えるストレートを投げることのできる永野が、一軍に定着できれば、マリーンズのリリーフ陣は強固なものとなる。来季こそポジションを掴みたいところだ。
取材・文=岩下雄太