FA宣言の美馬は直近4年で3度の規定投球回クリア
侍ジャパン日本代表が台湾の地でプレミア12を戦っている一方、日本国内ではFAの動きが本格化してきた。なかでも国内FA権を行使した、鈴木大地(ロッテ)、福田秀平(ソフトバンク)、美馬学(楽天)は、複数の球団が獲得に乗り出している。
この3人のなかで唯一の投手となる美馬は、巨人、ロッテ、ヤクルト、そして宣言残留を認めている楽天の4球団が争奪戦を繰り広げている。2019年シーズン、美馬はパ・リーグで6人しか達成できなかった規定投球回に到達。ここ4年で規定投球回には3度到達しており、その安定感が評価されている。どこのチームを選択しても、先発ローテーションに食い込んでくることは間違いないだろう。
そんな美馬は、身長169㎝と楽天でもっとも身長の低い投手でもある。球界を見渡しても170㎝以下の投手は少ないが、体格面のハンデを苦にせず実績を残している投手も多い。その代表格は、やはり石川雅規(ヤクルト/167㎝)になるだろう。
2001年のドラフト会議でヤクルトへと入団した石川は、ルーキーイヤーから第一線で投げ続け、積み上げた白星は「171」。2019年シーズンも、チームトップとなる8勝(6敗)をマークしており、39歳という年齢を感じさせない投球で奮闘した。
2020年シーズンブレイクしそうな山本拓実
その他の選手では、2018年のセ・リーグ新人王でもある東克樹(DeNA/170㎝)もそう。2019年シーズンは故障もあり4勝に終わったが、ルーキーイヤーに11勝(5敗)をマークしており、来季以降にかかる期待も大きい。
今季ブレイクの兆しを見せたのが、高卒2年目の山本拓実(中日/167㎝)だ。多彩な変化球を持ちながらもストレートで押す強気の投球が魅力の右腕は、2020年シーズンの先発ローテーション入りが期待される若竜のひとり。
その他にも、谷元圭介(中日/167㎝)、野田昇吾(西武/167㎝)、田浦文丸(ソフトバンク/168㎝)、成田翔(ロッテ/170㎝)、福田俊(日本ハム/170㎝)の5人が、身長170㎝以下の投手になる。
かつては「背丈が足りないから」といった理由でドラフト時に指名を見送られる、もしくは指名順位を下げるケースもあったと聞くが、現状の選手たちを見てみると、比較的若い選手も多い。身長が低くても、プロの投手として活躍できる!という姿を、全国の野球少年たちにも見せ続けてもらいたい。
【2019年シーズン成績】
※身長170㎝以下の投手(育成を除く)
石川雅規(ヤクルト/167㎝)
23試合(124.1回) 8勝6敗 防御率3.84
谷元圭介(中日/167㎝)
38試合(29.1回) 0勝1敗13H 防御率5.22
山本拓実(中日/167㎝)
9試合(45.1回) 3勝3敗 防御率2.98
野田昇吾(西武/167㎝)
23試合(19.2回) 2勝0敗2H 防御率3.66
田浦文丸(ソフトバンク/168㎝)
8試合(10回) 0勝0敗 防御率4.50
美馬 学(楽天/169㎝)
25試合(143.2回) 8勝5敗 防御率4.01
成田 翔(ロッテ/170㎝)
一軍出場なし
福田 俊(日本ハム/170㎝)
一軍出場なし
東 克樹(DeNA/170㎝)
7試合(38.1回) 4勝2敗 防御率3.76