本塁打は昨季と同じ24本
「前半は見ての通りきつかったですし、そこからなんとか盛り返せましたけど、最後のところで失速してしまった。勝てるようなバッティングができなかった」。
ロッテの井上晴哉は、シーズン通して安定した成績を残すことができなかったことを反省した。
昨季は打率.292、24本塁打、99打点の成績を残し、得点圏打率も.342と勝負強い打撃を見せた。今季もマリーンズの4番打者として、チームを勝利に導く打撃を期待された。
オープン戦で打率.125(32-4)に終わると、シーズンが開幕してからも打率.043、1打点と状態が上がらず4月6日に二軍落ち。それでも、4月23日に再昇格を果たすと、再びレギュラーに返り咲き、打率.252、24本塁打、65打点の成績でシーズンを終えた。
打撃三部門の成績について井上は「盛り返しましたけど、ちょっと足りないですし、本当に去年は出来過ぎというのはあった。それぐらいやらないといけないポジションだと思いますし、打たないといけないと思う。今年は満足もしていない。24本は去年と一緒とはいえ、超えたかったですね」。
後半戦はインコース攻めにあう
これまで井上は、1日1日で体調も違うしスイングも違ってくると話してきた。その中でハマらなかったこともあったのか——。
「う〜ん。自分でやろうとしていることを、あまりさせてもらえなかった。去年のこともあったから、変に自分にプレッシャーをかけたのもありますし、データ、研究されたというのもあると思いますけど、そういうところを超えていかないといけないんだろうなと思いますね」。
特に後半はインコース攻めが多かったようにも見えた。
「最後らへんは攻められましたよね。インコースをさばけるようになるというのが、ひとつなんですけど、甘い球をちょっと打ち損じているのが多かった。そういうところになりますかね」。
4番以外の打順で出場することも
昨季は133試合に出場して、そのうち97試合で4番に座ったが、今季は4番だけでなく、6番や7番で打つことも多かった。
「役割は変わらないと思いますよ。なんなら二軍に落ちたじゃないですか。一軍の試合に出られるありがたみというか、自分がやらないといけないというポジションではあるんですけど、どのポジション、どの打順であれ、チャンスで回ってきたら4番であっても、9番であっても関係ない。やることはしっかりやらないといけないと思いますね」。
井上が求められるのはチャンスでのバッティング、勝負どころでの一発。打順に関係なく、プロである以上、自分の仕事をこなさなければいけないという気持ちは強い。
試合前練習の前にロングティー
今季は「チームの勝利にひとつでも貢献したい」と8月20日の楽天戦以降、本拠地・ZOZOマリンスタジアムでの全体練習前にロングティーを行い、試合前に向けて入念な準備を行ってきた。ロングティーをはじめて以降、ZOZOマリンでの打撃成績は、打率.368(57-21)、3本塁打、8打点と練習の効果がかなりあった。来季も試合前練習前のロングティーは「継続すると思います」と考えを示した。
10月30日の秋季練習最終日で左脇腹に違和感を訴え『左の肋間筋損傷』と診断され、現在はロッテ浦和球場でリハビリに励む井上。10日の練習では、全体練習から外れランニング、キャッチボール、ノックなどで汗を流した。
マリーンズがリーグ制覇するためにも、井上の長打力、勝負どころでの一打は必要不可欠。来季はシーズン通して、安定した打撃を披露して欲しいところだ。
取材・文=岩下雄太