「二死だったのでノーサイン」
ZOZOマリンで行われた『プレミア12』のスーパーラウンド第1戦は、侍ジャパンがオーストラリア相手に逆転勝ち(3-2)。試合後、稲葉篤紀監督が記者会見に臨み、流れを変えた7回裏の攻撃を振り返った。
オーストラリアの先発投手・ルジッチを攻略できず、1-2とリードを許したまま終盤を迎えた日本は7回裏、今回の先頭・吉田正尚が中前打が出塁。ここで稲葉監督が“切り札”の代走・周東佑京を送り込むと、続く浅村栄斗が三振に倒れる間に二盗を決める。
一死二塁で7番・松田宣浩も三振に倒れたが、続く源田壮亮の打席で周東が三盗に成功。二死三塁となり、坂本勇人に代えてスタメンに抜擢した源田が意表を突くセーフティーバントを試みると、周東が打球を処理した相手投手のタッチをかわして本塁に生還し、試合を振り出しに戻した。
周東を起用した場面について、稲葉監督は「まず同点に追いつこうと、正尚と浅村のところは周東に準備をしてもらっていたので迷いなく出せた」と振り返り、難しかった二盗のあと、二死から決めた三盗についても言及。「バッテリーにプレッシャーをかけるという意味でも大きかった」と、ミスが許されない状況でのスチールを称えた。
さらに、二死三塁という状況で源田が見せたセーフティバントに関しては「二死だったのでノーサイン。本人の意思でやった」ことを明かし、「まさかと思ったが、国際試合では、ああいうところで何かやってやろうというのが大事」と、そのメンタリティを評価。「あの1点は非常に大きかった」と総括した。
また、この試合では2回無死一塁の場面で鈴木誠也が盗塁死となり、5回には二死一塁で一塁走者の源田がけん制死となっていたが、指揮官は「積極的に次の塁を狙うことを普段から伝えているし、勇気をもって次の塁を狙うようにということは、これからも伝えようと思う」と意に介さず、次の塁を狙う意識の強さを歓迎した。