新しい投球フォームに挑戦
「理想は日本ハム・宮西さんのようなフォームを目指しています」。
ロッテの成田翔が、『第16回みやざきフェニックス・リーグ』の終盤からやや腕の位置を下げたスリークォーター気味の新しい投球フォームに挑戦している。
成田はプロ4年目の今季、ファームでシーズン自己最多の51試合に登板したが、一軍では3年ぶりに登板がなかった。シーズン終了直後の10月2日の取材で「一番は来シーズンに合うフォームを見つけること。1年、1年フォームは誰もが違うと思うので、そこを早く見つけて自分のモノにしなければと思っています」と話していたが、早速フェニックス・リーグで新投球フォームに着手した。
肘を下げた理由について「吉井さんと話したのが(フォームを)変えた理由です。今は来年に勝負できるフォームで、練習中です」と説明。
12日にはシート打撃に登板。「(球の力は)ブルペンのときのほうが全然良い」と話しながらも、「今日(12日)は、バッターが入って力が入った部分がある。それでも、自分のなかでは今日みたいな内容は、かなり収穫があったかなと思います」と手応えを掴んだ。
特に山口航輝を空振り三振に仕留めた低めのスライダーは素晴らしいボールだった。成田は「狙ったところに投げて、ああいう空振りが取れたので、僕の中でスライダーは収穫かなと思います」と満足のいったボールだったようだ。
捕手陣はどう見てる?
この日、成田の球を受けた柿沼友哉、宗接唯人の評価も高い。宗接が「まっすぐも強いし、前よりもいいと思います」と話せば、球を受けるだけでなく、シート打撃で成田と対戦した柿沼は「良かったですよ。インコースに初球まっすぐがきましたけど、下げたぶん入ってくる角度になっていました」と教えてくれた。
では、今季まで投げていたフォームと腕の位置を下げたフォームで具体的に受けていてどこが変わったのか…。
柿沼は「シンプルにボールの強さが変わりました。単純にそこが一番変わったかなという印象ですね」と語った。
続けて柿沼は、「フェニックスの途中から下げて投げていて、そのときにスピードもあがっていましたし、強さもあがっていた。(12日のシート打撃は)走って追い込んだりして、疲れもあると思うので、フェニックスに比べたら落ちてはきていますけど、体が元気な状態で投げたときは強いボールがきていました」と“球の強さ”を感じたようだ。
成田自身も「球が全体的に速くなって、手応えもあります」と話している。今後も色々と試しながら、腕の位置を決めていく考えがあるという。
11月23日からは『ドライブライン・ベースボール』に参加する。「球速であったり、球の強さ、今までどうようしっかり求めていきたい。少しでも成長して戻っていきたいと思います」と意気込んだ。
来年はプロ5年目。大学を卒業した同学年の選手たちもプロ入りしてくる。来季こそ飛躍のシーズンにしたいところだ。
取材・文=岩下雄太