ファームで勝ちパターンを担う
「怪我で出遅れたんですけど、後半は自分なりの投球を見せられて、いい収穫ができたシーズンかなと思います」。
ロッテの育成選手・鎌田光津希は故障で出遅れたものの、夏場以降はファームで勝ち試合を任されるなど、力強いストレートを武器にアピールした。
鎌田は2月26日にロッテ浦和球場で行われたゴールドジムとの二軍練習試合で実戦デビューを飾り、その後も二軍戦に登板していたが故障で離脱。怪我が再発しないようにコツコツとリハビリし、6月1日の楽天との二軍戦で公式戦のデビューを果たした。
6月は20日の西武戦で1回3失点を喫するなど、7試合・5イニングを投げて防御率10.80だったものの、7月は7試合・7イニングを無失点に抑えた。特に7月は5試合連続でヒットを1本も許さない投球。
小野晋吾二軍投手コーチは当時「怪我がいえて徐々にゲームに入って、今のポジションを自分で確立していけているところまできている」と評価するなど、首脳陣の信頼を勝ち取り“勝ちパターン”の一角を担った。
「結局、地道にやっていった結果。そこを目標にしていたというよりも、1試合、1試合しっかり結果を残すことに集中していた結果、そうなったのでよかったと思います」と鎌田。
8月に入ってからも変わらず安定した投球で、7試合の登板で防御率2.84と、イースタン・リーグ制覇を目指すチームの中で欠かせない存在感を放った。
9月は7試合中4試合で失点
9月は「空回りした部分が多かったと思います」と7試合の登板のうち4試合で失点。9月22日のDeNA戦から3試合連続失点と、課題を残してシーズンを終えた。
「(フェニックス・リーグで課題を)クリアできたんですけど、新たな課題がでてきたので、今後はしっかりと台湾でクリアにしていきたいと思います」。
その課題について詳しく聞いてみると、「フィニッシュですね。真っ直ぐ、変化球をしっかり投げられるように、投げきれるようにやっていきたい」と説明した。
AWBに参加
鴨川秋季キャンプが終了し、多くの選手がシーズンオフに突入するなか、鎌田は11月23日から始まる『2019アジアウインターベースボールリーグ(AWB)』に参加する。
「シーズンと同じように真っ直ぐで押して、変化球でかわしたりというのもそうですし、基本的には真っ直ぐがどこまで通用できるかというのを試していきたいと思います」。
目指すは支配下
育成選手の鎌田が目指すは、支配下登録選手。支配下選手になるために必要なことについて鎌田は「制球力ですね」と話す。春季キャンプの頃に比べて制球力が良くなっているとコーチ陣は評価していた。
鎌田自身も「そこは感じているんですけど」と話すも、「もう少しですね。ビタビタなコントロールは無理なので、ゾーンに投げるコントロールをしっかりやっていきたい」と掲げる。
「この秋、冬、パワーアップした姿を見せられたらなと思います。真っ直ぐも変化球も1段階、2段階でもレベルアップしたいと思っています」。力強いストレートは魅力。制球力を磨き、支配下選手を勝ち取りたいところだ。
取材・文=岩下雄太