地元・桐蔭学園から期待のドラ1
DeNAは22日(金)、横浜市内のホテルで2019年度の新入団選手記者発表会を実施。期待の新星たちが「座右の銘」を記した色紙を手に、マスコミ、家族や関係者が見守る中で自己紹介を行った。
注目のドラフト1位・森敬斗(桐蔭学園)は、所信表明に『泰銘』という二文字を選択。さらに「“泰”には、物事に動じなかったり、周りに流されない、一喜一憂しないという意味が込められています。心に波があったら活躍するのは難しいということで“泰”に。“銘”は、ひとつのプレーで流れや周りの見る目が変わるので、自分のプレーで周りやファンを魅了する、感動を与えるという意味で選びました」と、高校生とは思えない理路整然とした語り口で理由を説明した。
そして、『泰銘』という「この2文字を自分の中に刻んで、これから頑張っていく」という宣言に続いて、「10年20年と長く結果を出し続けるような」プレイヤーを目指していると語り、ラミレス監督も「色々なことができる“5ツールプレイヤー”として期待している。まずは二軍で経験を積み、近い将来はショートのレギュラーに」と、じっくりと大きく育てる方針も口にした。
即戦力として期待の大卒ピッチャー
会見の冒頭、ラミレス監督は「1人か2人は一軍レベル」との見方を示したが、その枠に当てはまると見られているのがドラフト2位と同3位指名の大卒ピッチャーふたりだ。
ドラフト2位の坂本裕哉(立命館大)は「躍動」と記した色紙を手に「即戦力として期待されているので、1年目からハマスタで“躍動”できるように」と話し、「先発としてチームを勝たせるゲームメイク力」を武器に「開幕一軍ローテーションを」と意気込んだ。また、立命館大の先輩でもある東克樹を「追いつき、追い越したい」と、新人王を獲得した同じ左腕を目標にプロの世界に挑む。
一方、3位の伊勢大夢(明治大)は「ファンやチームメイトを喜ばせる力になりたい」との意味を込めて「喜力」という二文字を選んだと説明。「中継ぎとして短いイニングをゼロに抑えられるように。デッドボールを当ててもいいぐらいの気持ちをもってインコースを攻める」と強気の宣言。「山﨑康晃さんにしっかりバトンを繋ぎたい」と、セットアッパーの座を掴むことを目標に掲げた。
伊勢は明治大の先輩で、同じサイドハンド右腕の中継ぎと共通点の多い、木塚敦志ピッチングコーチに「色々その都度、(話を)聞いて行きたい」と、大先輩のコーチングを心待ちにしていた。
7人中4人が高卒
近年のドラフト上位は即戦力狙いだったが、今年は7人中4人の高校生を指名。三原一晃球団代表は「DOCK(新設された二軍施設)ではコーチも増やし、育成に力を入れている」と、チーム運営の方針に沿ったものであることを明かした。
期待のドラ1森を筆頭に、4位には「強肩強打」のキャッチャー東妻純平(智弁和歌山)、5位で「遠投110メートル」の大型ショート田部隼人(開星高校)、7位に「角度あるボールが自慢」の浅田将汰(有明高校)を指名。6位では「広角に長打が打てる」蝦名達夫(青森大)と、それぞれアピールポイントを持った精鋭が入団。最新鋭のDOCKから、スターへの階段を昇る姿が今から楽しみだ。
YOKOHAMAのユニフォームに袖を通した7人の新入団戦士たち。待ちに待ったプロという世界での戦いが、いよいよスタートする。
各選手の所信表明
なお、今回の新入団選手発表会で各選手が色紙に記した所信表明の文字と、その理由は以下のとおり。
6 森敬斗(桐蔭学園)
『泰銘』
“泰”には、物事に動じなかったり、周りに流されない、一喜一憂しないという意味が込められています。高校時代に経験した、悪くなったり良くなったりするときに、心の中に波があったら、これから活躍することはなかなか不可能だということで“泰”としました。
野球は一つのプレーで流れが変わったり、周りからみられる目が変わったり、その人をどう思うかが変わってくると思うので、自分のひとつのプレーで、まわりや観客、ファンの方を魅了させる、感動を与えるという意味でめいとしました。この二文字を自分の中に刻んでこれから頑張っていこうと思います。
20 坂本裕哉(立命館大)
『躍動』
即戦力としてとってもらったと自覚しているので、1年目から横浜スタジアムのマウンドで躍動する姿を見ていただけるようにという思いを込めて躍動という言葉を書きました。
そして1年目から活躍するだけでなく、それから先も息の長い選手として活躍し、日本を代表する左腕になっていけるようにこれから頑張っていきたいと思います。
13 伊勢大夢(明治大)
『喜力』
大学では森下の陰に隠れながらやっていたのですが、プロという素晴らしい舞台で自分を堂々と出して、自分はリリーフを希望しているので、一番のリリーフになれるように。この文字は「喜力(きりょく)」と書いて、喜ぶ力ではなく、人々を喜ばせる力ということで、ファンやチームメイトを勝利で喜ばせられるように、そういう選手を目指して頑張っていきたいと思います。
57 東妻純平(智弁和歌山)
『前進』
球団を代表する正捕手になるために、一日一歩でも前進できるように、「前進」という文字を書きました。よろしくお願いいたします。
55 田部隼人(開星高校)
『結果』
これまで支えてくださった方々や、ファンの方などに恩返しできるのは結果だと思うので、これから結果を出せるように頑張っていきたいと思います
61 蝦名達夫(青森大)
『感謝』
たくさんの方々の支えがあって今の自分があると思うので、プロでは感謝の気持ちを忘れず一生懸命プレーしていきたいと思います。そして開幕一軍を目指して自分の持ち味でもあるバッティングをアピールして頑張っていきたいと思います。
54 浅田将汰(有明高校)
『全力』
この言葉どおり、何事にも全力で取り組みしっかりと結果を残すことです。努力しないと上の舞台に立つことはできないと思うので、野球を始めたときから全力でやることを胸に刻んでいたので、プロでも同じように全力で取り組み一日でも早く一軍のマウンドに立てるように頑張っていきたいです。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)
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※東妻純平選手の学校名に誤りがございました。訂正し、お詫びいたします。大変失礼致しました。