最も劇的な一打を放ったのは...
「2019 スカパー!ドラマティック・サヨナラ賞」の表彰式が29日に行なわれ、今年最も劇的な一打を放った選手に贈られる「年間大賞」が決定した。パ・リーグはロッテの鈴木大地選手(30)、セ・リーグは阪神の高山俊選手(26)がそれぞれ受賞。両選手にはオリジナルトロフィーと、賞金200万円が贈られた。
「最後の一球まで何が起こるかわからない」のが野球の醍醐味であり、その象徴的なプレーである“サヨナラ打”を称えるのが「スカパー!ドラマティック・サヨナラ賞」。「年間大賞」は今年で11年目を迎え、2012年からは月間の表彰も行われている。
9回裏に5点差を逆転!
試合はロッテが7回までに0-5と5点のリードを許す苦しい展開だったが、7回裏に鈴木のソロで反撃開始。再び5点差の2-7で迎えた9回裏、先頭打者として打席に入った鈴木の2打席連続本塁打で1点を返すと、これが歴史的逆転勝利の始まりとなった。
その後、ロッテ打線が打者一巡の猛攻で、1点差として迎えた二死満塁で打席には再び鈴木。球場の盛り上がりが最高潮に達する中で、フルカウントからの6球目、バットを真っ二つに折りながら振り抜いた打球は1・2塁間をしぶとく抜けて右前へ。これが逆転のサヨナラ安打となった。
鈴木は9回に本塁打を打ったあと、「不思議と何故かもう一度まわってくるんじゃないかという気持ちで見ていました」と当時の心境を振り返り、「今までの人生の中でも印象に残るゲームでしたし、これからも一生忘れることのない、自分の中でのベストゲームでした」とコメント。「来年以降、このようなサヨナラを打てるかわかりませんが、野球を見てくれている方々、そして野球を知らない方々にも感動を与えるようなプレーができるように頑張っていきたい」と意気込みを語った。
史上17本目の代打サヨナラ満塁本塁打
セ・リーグの年間大賞は、5月度の月間賞に輝いた阪神・高山俊が受賞。5月29日(水)に行われた巨人戦の延長12回に代打サヨナラ満塁弾を放った。
4-4の同点で迎えた延長12回、最終回の攻撃。一死満塁という絶好のチャンスに代打で登場した高山は、巨人8番手の池田駿が投じたボールをひと振り。打った瞬間はポールの左か、右か際どいところだったが、数秒後には確信に変わって球場からは大歓声があがった。
高山は「あの試合は4時間半という長い試合でしたが、どんなときでも最後まで応援してくれる阪神ファンの気持ちが、ボールに乗り移ったかなという思いでいっぱいです」とコメント。「裏で準備していたこともあり試合展開はよく覚えていないんですけど、この一振りに懸けるという思いで試合をやったことは覚えています」と背水の覚悟だったことを明かし、「来年以降も、阪神ファン、プロ野球ファンの皆様にドラマティックなプレーを届けられるように頑張ります」と活躍を誓った。
今季の月間「スカパー!サヨナラ賞」歴代受賞選手
<3・4月>セ:青木宣親(ヤクルト)
パ:中田 翔(日本ハム)
<5月>
セ:高山 俊(阪神)
パ:辰巳涼介(楽天)
<6月>
セ:原口文仁(阪神)
パ:鈴木大地(ロッテ)
<7月>
セ:ソラーテ(阪神)
パ:中村剛也(西武)
<8月>
セ:石川慎吾(巨人)
パ:清田育宏(ロッテ)
<9月>
セ:ソ ト(DeNA)
パ:メヒア(西武)
「スカパー!ドラマティック・サヨナラ賞 年間大賞」歴代受賞者
<2009年>
セ:亀井義行(巨人)
パ:井口資仁(ロッテ)
<2010年>
セ:天谷宗一郎(広島)
パ:小久保裕紀(ソフトバンク)
<2011年>
セ:長野久義(巨人)
パ:松田宣浩(ソフトバンク)
<2012年>
セ:和田一浩(中日)
パ:中田 翔(日本ハム)
<2013年>
セ:長野久義(巨人)
パ:浅村栄斗(西武)
<2014年>
セ:福留孝介(阪神)
パ:松田宣浩(ソフトバンク)
<2015年>
セ:雄 平(ヤクルト)
パ:柳田悠岐(ソフトバンク)
<2016年>
セ:鈴木誠也(広島)
パ:吉村裕基(ソフトバンク)
<2017年>
セ:宮崎敏郎(DeNA)
パ:栗山 巧(西武)
<2018年>
セ:下水流昂(広島)
パ:森 友哉(西武)
<2019年>
セ:髙山 俊(阪神)
パ:鈴木大地(ロッテ)