ヤンキースの田中将大を尊敬「エースらしい投手」
ヤクルトの「新入団発表会」が3日に東京都内で行われ、今年のドラフト会議で指名された6名がファン500人の前で決意表明した。
今秋のドラフトで3球団が競合した末にヤクルトが交渉権を獲得した注目のドラフト1位・奥川恭伸投手(星稜高)は、「徐々にプロ野球選手になったという実感が湧いてきていますと」と、背番号「11」のユニフォームに袖を通し、初々しい表情を浮かべた。
期待を集める18歳の右腕は、アメリカ・メジャーリーグで活躍する田中将大(ヤンキース)を尊敬する選手に挙げ、「(田中投手は)エースらしい投手で、すべてを持っている投手。自分もそういう投手になれるように」と未来を見据えた。
来季に向けては、「まず焦らずにじっくり土台づくりからやりたい」としながらも、「1年目のシーズンに一軍で投げて勝つことが目標です」と力強く宣言。今夏の甲子園で格の違いを見せつけた豪腕が、周囲の期待を受けながらどんな選手に成長していくのか――。プロへの階段をいよいよ登り始める。
来春の一軍キャンプへの帯同は?
来季から一軍の指揮を執る高津臣吾監督は、新人選手たちの晴れの舞台を見守り、「僕が監督になって初めての新入団の選手たちなので、もちろん期待しています。しっかり鍛えて一流の選手にしたい」と抱負を述べた。
NPB通算286セーブの指揮官は現役時代、明るいキャラクターでもファンに愛された。この日、緊張気味だった新人選手たちに対して「野球に慣れて自分のパフォーマンスを出せるように」とプロ野球選手としての心構えも促しつつ、「将来、彼らが中心となってチームが動いていけるような、その中心になってほしい」と期待を寄せる。
奥川がヤンキースの田中を目標にしていることに対しては、「素晴らしい投手を目標にして、そこを目指していくという姿勢は素晴らしいと思う。本当に田中投手のようになってほしい」と、エールを送った。
また、来春の一軍キャンプに帯同するかどうかも気になるところだが、まずは「1月を見てからになる」と慎重な姿勢を見せ、新人合同自主トレを見てからの判断になることを強調した。
指揮官もファンも期待を寄せる黄金ルーキー。プロのマウンドで投げる姿が、いまから待ち遠しい。
取材・文=別府勉(べっぷ・つとむ)
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※「交渉権」の表記に誤りがございました。訂正し、お詫びいたします。大変失礼致しました。(12月3日21時36分)