結婚、プレミア12初制覇も重なった充実の3年目
リーグ連覇を果たし、景気の良い契約更改ニュースが続く西武。その中で正遊撃手として活躍した源田壮亮内野手も、推定6000万円増の年俸1億4000万円で1億円プレイヤーの仲間入りを果たした。
今季もベストナインとゴールデングラブ賞を2年連続でダブル受賞。4月に右手首に死球を受け、デビューからの連続フルイニング、連続試合出場記録はそれぞれ299試合で途切れたが、135試合の出場で打率.274、2本塁打、41打点、30盗塁を記録し、正遊撃手としてリーグ連覇に貢献した。
3日の契約更改交渉で大台の年俸1億円超え。「夢というか、いつかはなりたいと漠然と思っていた」と話した。シーズン終了後の10月下旬には、同じ大分出身でタレントの衛藤美彩さんとの結婚を発表。11月は侍ジャパンの一員として『第2回プレミア12』の初制覇に貢献し、充実のプロ3年目を終えた。
大味なチームに加わった堅実なプレースタイル
思えば源田加入前の西武は、2014年から16年まで3年連続Bクラスだった。この間は正遊撃手を固定できず、メジャー挑戦のため13年に退団した中島宏之(現巨人)の後釜候補たちは決め手を欠いた。
そこに彗星のごとく現れたのが源田。大分商 、愛知学院大 、トヨタ自動車を経て、2016年のドラフト3位で西武入り。入団当初は「守備の人」との評価だったが、シュアな打撃と俊足を武器に、攻撃面でも高い貢献度を示した。
デビュー戦は「9番・遊撃」だったものの、開幕5戦目から「2番・遊撃」が定位置に。1番・秋山翔吾、3番・浅村栄斗(現楽天)のつなぎ役としてフィットした。1年目から全143試合に出場し、ともに球団の新人最多記録となる155安打、37盗塁をマーク。新人王に選ばれ、チームの2位躍進を支えた。
2年目も143試合に出場し、打率.278、4本塁打、57打点、34盗塁を記録。遊撃でシーズン526補殺のプロ野球新記録を樹立し、新人から2年連続でのフルイニング出場も史上初の快挙。チームは10年ぶりのリーグ制覇を果たした。
もちろん、チームの躍進は源田ひとりの力だけではない。ときを同じく、山川穂高、外崎修汰が主力へと成長し、森友哉は正捕手として飛躍した。3年連続Bクラス時代も秋山、浅村、中村剛也、栗山巧、エスネスト・メヒアら、“山賊打線”と称される礎はあったが、15、16年は2年連続でチーム失策数がリーグワーストを記録など、攻守両面で粗削りな部分が目立っていた。
14年からの3年連続Bクラスが一転、17年以降は2位、1位、1位と推移。同年からチームを指揮する辻発彦監督は、就任当初「1点をいかにして取るか、いかにして守るかというところから始めたい」とのチーム方針を明示。その旗印としてグラウンドに立ち続けてきたのが背番号6だった。
1年目から正遊撃手の座をつかみ、入団以降、Aクラスしから知らない源田。即戦力と言うのは簡単だが、1選手の加入でここまでチームが変わるケースも珍しい。