2019年の交流戦優勝を決め、喜ぶソフトバンクの(左から)福田、内川、和田、松田宣=東京ドーム(C)Kyodo News

◆ 人々がホークスに最も関心を持った日は…?

 世界中の検索傾向がわかるGoogleトレンド。各球団名の検索回数を日ごとに集計し、今年3月の開幕からレギュラーシーズン終了までの約半年間で“最も検索回数が多かった日”をトップ3形式にまとめ、球団ごとに振り返っていく。

 今季のソフトバンクは結果的に日本一に輝いたものの、レギュラーシーズンは故障者が続出する苦しい戦いに。オールスターを迎えた時点では貯金を「16」まで積み上げ、2位以下に7ゲームの差をつけて首位に立っていたが、8月以降に驚異的なペースで白星を重ねた西武にゴール目前で差し切られる格好となった。

 そんなソフトバンクの日付別検索回数・トップ3は以下の通り。

1位:9月22日=対オリックス(京セラD大阪)
2位:3月29日=対西武(ヤフオクドーム)
3位:6月23日=対巨人(東京ドーム)

▼ 9月22日:執念の勝利で首位に肉薄!

 2019年・ソフトバンクの検索回数1位は、9月22日のオリックス戦。この時、ソフトバンクは首位・西武を2ゲーム差で追う状況でだった。

 いきなり初回に2点を取り合うなど、“荒れ模様”かと思われた試合も2回以降は静かに進み、同点のまま折り返し。迎えた6回、ソフトバンクは柳田悠岐と中村晃の適時打で勝ち越し、7回にはジュリスベル・グラシアルの2ランで追加点。一気に勝利を手繰り寄せる。

 ところが、7回裏に3点を返されてたちまち暗雲。最後は8回途中からストッパーの森唯斗を投入して1点のリードを守り、6-5でなんとか勝利。先に始まっていた仙台の試合で西武が敗れたため、ソフトバンクは首位に1ゲーム差と迫った。

【京セラD大阪】オリックス - ソフトバンク(22回戦)
ソ|200 002 200|6
オ|200 000 300|5

▼ 3月29日:開幕戦にサヨナラ勝ち!

 第2位は3月29日の西武戦。今季の開幕戦がランクインした。

 前年も優勝を争ったライバル対決は手に汗握る熱戦に。ソフトバンクは4-0とリードを奪って逃げ切りを図るも、8回に西武の主砲・山川穂高にグランドスラムを浴びて試合は振り出し。延長戦へともつれ込んでいく。

 どちらも譲らず迎えた延長11回、ソフトバンクは無死一・二塁とチャンスを作ると、アルフレド・デスパイネがこの日2本目の適時打を放ってこれがサヨナラ打。劇的勝利で開幕を飾った。

 また、延長の2イニングを無失点に抑えたルーキー・甲斐野央に勝利がつき、開幕戦でプロ初登板・初勝利という快挙を達成。その後の活躍は周知の通りで、ルーキーながら侍ジャパンの一員としてプレミア12の初制覇に貢献するなど、実り多きルーキーイヤーはこの一勝からはじまった。

【ヤフオク】ソフトバンク 5 - 4 西武(1回戦)
西|000 000 040 00 |4
ソ|010 120 000 01x|5

▼ 6月23日:交流戦優勝をかけた決戦!

 そして、第3位が6月23日の巨人戦。交流戦のラストゲームは、勝った方が交流戦優勝という決戦だった。

 巨人はエースの菅野智之を立てて必勝態勢も、ソフトバンクは1番・福田秀平の先頭打者弾で出鼻をくじくと、その後も攻めの手を緩めることなく、初回に一挙4得点。序盤で主導権を握る。

 投げては先発したベテラン・和田毅が5回1失点の力投。重圧のかかるマウンドでしっかりとその仕事を果たすと、初回以降は得点がなかった打線も7回に再び福田が一発。投打が噛み合ったソフトバンクが交流戦優勝を果たし、和田は約2年ぶりの白星を掴んだ。

【東京ドーム】巨人 - ソフトバンク(3回戦)
ソ|400 000 100|5
巨|000 100 000|1

 2年連続でクライマックスシリーズを勝ち上がり、今世紀初の“日本一3連覇”を成し遂げたソフトバンク。しかし、平成後期の野球界を牽引した常勝軍団において、2年連続でリーグ制覇ができなかったというのは悔しさのほかないだろう。

 まずは3年ぶりのリーグ奪還、そして4年連続の日本一へ。来季も“結果”が求められる。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

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八木遊

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