打てるキャッチャー
「絶対にプロになると思って、そこの信念の強さを持って4年間やってきました」。
ロッテからドラフト2位で指名された佐藤都志也は、東洋大学での4年間を高い目的意識を持って過ごした。
佐藤は2年春にレギュラーの座を掴み、打率.483で首位打者に輝く。以降は18年秋を除き、すべてのシーズンで打率3割以上をマーク。ドラフトを目前に控えた4年春も打率.306、秋も.302と、“戦国東都”と呼ばれるレベルの高いリーグでしっかりと結果を残し続けた。
自身については「走攻守、三拍子揃ったなかでの打てるキャッチャーとして、自分は指名されたと思っている」と認識しており、将来は“トリプルスリー”(打率3割、30本塁打、30盗塁)も期待される逸材。その中でも、打撃と守備には自信があると語り、特に打撃では「ここぞというところで打てるバッターになりたい。東洋大でやらせてもらった4年間が活きればいいなと思っています」と目標を掲げる。
ロッテ捕手陣の今季の打撃成績を振り返ると、捕手全体の打率は.223(422-94)、7本塁打、45打点だった。打点こそリーグ3位だったが、打率はリーグ4位、本塁打はリーグ5位と捕手陣の打撃に課題を抱えている。大学時代の打撃をプロでも披露することができれば、チャンスは十分に回ってきそうだ。
▼ ロッテ捕手陣の打撃成績
田村龍弘:試100 率.243 本3 点31 盗1
柿沼友哉:試34 率.167 本1 点2 盗0
吉田裕太:試32 率.234 本2 点7 盗0
細川 亨:試31 率.333 本0 点1 盗0
江村直也:試23 率.097 本1 点4 盗0
▼ パ・リーグ6球団の捕手登録選手打撃成績
西 武 率.317(568-180)本24 点112 盗3
ソフトバンク 率.250(448-112)本13 点51 盗9
日本ハム 率.224(456-102)本6 点41 盗0
ロッテ 率.223(422-94)本7 点45 盗1
楽 天 率.184(434-80)本9 点43 盗1
オリックス 率.169(427-72)本2 点32 盗2
1学年上の先輩に刺激
東洋大の1学年先輩には、甲斐野央(ソフトバンク)、上茶谷大河(DeNA)、梅津晃大(中日)、中川圭太(オリックス)がいる。甲斐野はチームトップの65試合に登板、11月に行われた『WBSC プレミア12』の侍ジャパンに選出され、上茶谷は新人トップタイの7勝、梅津も終盤に台頭して4勝、中川は交流戦の首位打者に輝き、パ・リーグのルーキーでは唯一100安打以上(105安打)放つ活躍を見せた。
佐藤は「自分が受けていたピッチャー3人と、キャプテンの中川さんをはじめ、プロに行く人を間近で見られたというのは、プラスでした」と刺激を受けており、先輩と3年間一緒に過ごしたからこそ、「自分も同じような舞台に立ってやりたいという気持ちがありました。すごくよかったです」と感謝した。。
しかし、喜んでばかりもいられない。入団会見は終わり、来年の1月からは新人合同自主トレが始まる。「もう(プロとしての生活は)始まっていると思うので、いつでも好スタートを切れるようにやっていきたい」。先輩たちと同じ舞台で、さらなる高みを目指し戦っていく。
取材・文=岩下雄太