ニュース 2019.12.12. 12:30

今オフは牧田が楽天に…近年の「MLBからNPBに復帰」した投手を振り返る

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楽天に加入した牧田和久 (C) Kyodo News

新天地は仙台


 楽天は11日、来季からチームに加わる牧田和久の入団会見を行った。

 牧田は1984年生まれ・35歳の右腕。2010年のドラフト2位で西武へと入団すると、アンダーハンドから繰り出す緩急自在の投球で即戦力として活躍。1年目は先発でスタートしてシーズン途中から抑えに回るなど、順応性の高さを見せつけていきなり55試合に登板。5勝7敗22セーブ・1ホールドというフル回転で新人王に輝いた。

 以降も2年目からは先発がメインになったかと思えば、2015年はいわゆる「先・中」という形になり、2016年からは完全にリリーフへと転向。1年目から休むことなく、いかなる役割でも期待に応え続けて7年…。2017年シーズンの終了後、ポスティングシステムを利用して、メジャーの舞台へと羽ばたいて行く。

 渡米後はパドレスの一員として2018年にメジャーデビューを果たし、27試合に登板を果たしたものの、継続して結果を残すことができず。今季はメジャー昇格が叶わないまま自由契約に。楽天のほかにも古巣の西武や阪神が興味を示していることが報じられていたが、右腕は仙台を新天地に選んだ。

 入団会見では「西武、阪神、楽天とお話を頂いて悩みました」と具体的な球団名を明かしつつ、決め手となったのは「アメリカでの2年の間に調査をしていただいていて、一度はお断りさせていただいたんですが、今季終わってからも変わらない評価を頂いた」というところ。最後は“変わらぬ熱意”が決断を後押ししたのだと言う。


黒田や和田が成功例


 1964年・村上雅則氏による日本人のメジャーデビューから半世紀以上が経ち、今やメジャーの舞台で日本人が戦っているのが当たり前の光景となった。

 日本人メジャーリーガーが増えるにつれて、近年急激に増えているのが「NPBに復帰する“元日本人メジャーリーガー”」の存在。メジャーの舞台でユニフォームを脱ぎ、現役を終えていくという選手よりも、最後は日本に戻ってキャリアを終えるという選手の方が圧倒的に多い。

 そこで、下にまとめたのが、「2010年以降にNPB球団と契約」した「メジャー帰り」の「投手」。NPBの球団からメジャーへと渡り、再びNPBに戻ってきた投手がこの10年で18人もいるのだ。

 やはり印象が強いのは、“男気復帰”が大きな話題を集め、復帰後に広島をリーグ優勝に導いた黒田博樹や、復帰元年にいきなり15勝を挙げて最多勝・最高勝率のタイトルを獲得した和田毅といったところか。

 しかし、彼らは最高クラスの成功例。実は数年で現役引退や自由契約となってしまう選手も少なくない。


 楽天の石井一久GMは「ブルペンの強化が目的」とすでに明確な役割をイメージしたうえでの補強であることを語り、「どんなコンディションでも、しっかりとしたパフォーマンスで一年間投げてくれる」とその安定感に期待を寄せている。

 果たして、3年ぶりのNPB復帰となる牧田和久はどんな成績を残すのか。今から来季が楽しみだ。


MLBからNPBに復帰した投手まとめ

※2010年以降


<古巣に復帰>

▼ 薮田安彦(ロッテ/2010~2013)
[2010年] 63試 2勝5敗1セーブ・28ホールド 防3.15

▼ 高橋 建(広島/2010)
[2010年] 26試 4勝5敗8ホールド 防9.30

▼ 川上憲伸(中日/2012~2015)
[2012年] 7試 3勝1敗 防2.83
※中日退団後も現役続行をめざし、正式に引退を表明したのは2017年

▼ 黒田博樹(広島/2015~2016)
[2015年] 26試 11勝8敗 防2.55

▼ 藤川球児(阪神/2016~)
[2016年] 43試 5勝6敗3セーブ・10ホールド 防4.60
※MLBから独立リーグを挟んでNPB復帰

▼ 和田 毅(ソフトバンク/2016~)
[2016年] 24試 15勝5敗 防3.04

▼ 上原浩治(巨人/2018~2019途)
[2018年] 36試 0勝5敗14ホールド 防3.63


<古巣以外に復帰>

▼ 小林雅英(巨人/2010~2011)
[2010年] 12試 0勝0敗1セーブ 防5.14

▼ 藪 恵壹(楽天/2010)
[2010年] 11試 0勝0敗2ホールド 防4.91
※シーズン中にテストを経て入団

▼ 井川 慶(オリックス/2012~2015)
[2012年] 12試 2勝7敗 防4.65
※オリックス退団後は独立リーグで現役続行

▼ 岡島秀樹(ソフトバンク/2012、2014~2015)
[2012年] 56試 0勝2敗9セーブ・24ホールド 防0.94
※現役続行をめざしたが、2016年に現役引退

▼ 五十嵐亮太(ソフトバンク/2013~)
[2013年] 51試 3勝3敗12セーブ・11ホールド 防2.53

▼ 斎藤 隆(楽天/2013~2015)
[2013年] 30試 3勝0敗4セーブ・4ホールド 防2.36

▼ 髙橋尚成(DeNA/2014~2015)
[2014年] 10試 0勝6敗 防5.29

▼ 建山義紀(阪神/2014)
[2014年] 8試 0勝0敗 防3.68

▼ 松坂大輔(ソフトバンク/2015~)
[2015年] 一軍登板なし

▼ 村田 透(日本ハム/2017~)
[2017年] 15試 1勝2敗 防2.77

▼ 岩隈久志(巨人/2018~)
[2018年] 一軍登板なし


※(チームはNPB復帰元年の所属/年はNPBに在籍した年)
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