二軍で2年連続セーブ王
楽天へFA移籍した鈴木大地の人的補償として、小野郁が加入した。
小野は、西日本短期大学附属高校から14年ドラフト2位で楽天に入団。ロッテでは、岩下大輝、東妻勇輔、小島和哉、中村稔弥、香月一也と同学年にあたり、香月とは小学校時代から面識があったという。
一軍通算登板は39試合で、今季は13試合に登板して、防御率6.27という成績だ。ただファームでは今季、イースタンリーグトップの14セーブをマークするなど、2年連続で最多セーブに輝いている。
小野は「キャンプ、オープン戦でしっかり自分をアピールしたい。投げさせてもらえる場面は、全て0に抑えてアピールしていけたら自ずと結果は残せるのかなと思います」と話し、そのために今オフは「体づくりを毎年この時期はやっている。体づくりをもう1回一からやって自分の一番動ける体を見つけてやっていこうと思います」とのことだ。
今季の小野の一軍での投球を振り返れば、反対方向へ安打を許す場面が多かった。数字を見ても今季26本の被安打を許したが、そのうちセンターから反対方向に浴びた安打は15本だった。その原因についても「右バッター、左バッター関係なくインコースに攻められていなかったことが多かった。外に張っておけば間違いないと思われていたのかなと思います」と理解している。
ストレートが武器
150キロを超えるストレートを武器にする小野。守護神の益田直也が150キロを超えるストレートを投げるが、マリーンズの救援陣は比較的にスピードボールを武器にする投手が少ない。そういった意味でも、速いストレートを投げる小野は魅力的な存在。
「三振を取るときはまっすぐで取れたら気持ちがいいですし、まっすぐで見逃し三振をとったときは格別なので、決め球がまっすぐになれるように、またそれ以外の球もしっかり磨いていきたいと思います」。
一軍定着こそできていないが、ファームでは実績を作っており、環境が変われば大化けする可能性を秘めている。松本球団本部長も「23歳ということで、まだまだ若い。一軍で実績はないですけど、今年、去年とイースタンリーグでセーブのタイトルを獲得している。これからのピッチャーだと思っています。楽天にもし来季いたとしても、一番いい年になるんじゃないかなと思っています。本人にはプレッシャーになるかもしれないですけど、球団としては非常に期待しています」と期待度はかなり高い。小野郁がロッテのリリーフ陣に割って入ることができるか注目だ。
取材・文=岩下雄太