◆ 育成で外国人選手を獲得

 ロッテは23日、ホセ・アコスタ投手、ホセ・フローレス投手を育成選手として獲得したことを発表した。

 アコスタは、母国のアマチュアリーグやニカラグアのウインターリーグでプレーし、今季はドミニカ共和国空軍に所属していた右腕。松本球団本部長は「プロ経験がないけど、スライダーが2種類あり、三振を取れるスライダーも持っている。チェンジアップも精度が高い。戦力になるように見ていきたい」との思いを口にした。

 一方のフローレスは今季、BCリーグの富山でプレー。22試合に登板して、9勝7敗0セーブ、防御率2.00の成績を残し、10月にZOZOマリンで行われた入団テストに参加していた。松本球団本部長は「クイックもできる。(10月の入団テスト)2日目にクイックを見てくださいとアピールしたくらいなので、日本で成功したいという気持ちをすごく感じる」と、そのメンタリティも評価する。

 アコスタは26歳、フローレスが30歳。26歳以上の外国人選手と新たに育成契約を結んだ場合、支配下選手登録に移行できるのは3月末までとなるが、松本球団本部長は「(支配下登録期限の)3月で終わりじゃなく、そのまま育成にいきます」と述べ、長いスパンで継続的に見ていく意向を示した。

◆ 今後も育成選手を増やす方針

 アコスタとフローレスが加わり、ドラフト会議で育成選手として指名した本前郁也、 植田将太、支配下登録選手から育成選手となった大嶺祐太、高濱卓也など、今季の4人から育成選手の人数は大幅に増える。

 育成選手が増えたことで、二軍が遠征する際の練習・試合環境が気になるところだが、「そこまで多くないので、(地方遠征も)回れる(松本球団本部長)」とのこと。松本球団本部長は「どんどん膨らんでいけば、将来的には三軍制や三軍的なものは作っていくかもしれない。ただ今は(地方遠征にも)回れるかなと思う。外国人にしても日本人にしても、育成選手は増やしていきたい」との考えを示した。

 今オフはFAで楽天から美馬学、ソフトバンクから福田秀平を獲得し、今季課題のひとつだったリリーフにハーマン、ジャクソン、鈴木大地の人的補償で150キロを超えるストレートを武器にする小野郁を補強。今オフは大型補強が目立つなか、来年4月以降に23歳となる97年世代がチーム最多の9人になるなど、若返りも進んでいる。

 このオフは目先の結果だけでなく、3年後、5年後というチームの未来を思い描きながら、補強に動いているように見えるマリーンズ。すべてがうまく噛み合ったとき、ファンが待ち望んでいる“黄金時代”が到来することになるのか――。佐々木朗希の加入もあり、来季は一軍だけでなく、ファームの動向からも目が離せなくなりそうだ。

取材・文=岩下雄太

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