チーム防御率は4.36→3.72へ向上
68勝73敗2分けで7年連続Bクラスに終わった2019年の中日。ただ、攻守ともに中堅、若手の台頭があり、低迷期脱却への期待感を抱かせてくれた。
与田剛新監督の下、チーム防御率は2018年の4.36から3.72へ向上。先発陣では復活した大野雄大が最優秀防御率(2.58)のタイトルを獲得し、柳裕也はシーズン自己最多の11勝(7勝)を手にした。
救援陣は抑えの固定に苦労したが、セットアッパーのジョエリー・ロドリゲスが64試合登板で44HP、防御率1.64を記録。最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した。そのロドリゲスは今季限りでの退団が決定したが、4年目の福敬登が自己最多の52試合登板で防御率2.05をマーク。血行障害から復活した3年目・藤嶋健人も32試合の登板で防御率2.48を記録するなど、既存戦力のレベルアップが目立った。
その他にも、ドラフト2位で加入した梅津晃大が、球団新人タイ記録となるプロ初登板からの3連勝をマーク。同じくドラフト3位で加入した勝野昌慶、6年目の阿知羅拓馬、ともに高卒2年目の清水達也と山本拓実が、それぞれプロ初勝利をマークした。一方で、期待されていた笠原祥太郎、小笠原慎之介らは故障に苦しんだが、全体的に今季の中日投手陣はプラス要素が目立った。
2位の橋本と3位の岡野、ドラフト組にも期待
今秋のドラフトでは、2位で本格派左腕の橋本侑樹(大阪商大)、同3位で完成度の高い右腕・岡野祐一郎(東芝)を即戦力候補として獲得。橋本は2018年に現役引退した岩瀬仁紀(現野球評論家)の『13』を継承、岡野は『36』を背負うことが決まった。
一方、古巣・西武への移籍が決まった松坂大輔の退団に伴い、エースナンバーである『18』は空き番号に。また、杉下茂、権藤博、星野仙一、小松辰雄らが背負ってきた、中日独自のエースナンバー『20』も現時点で空席だ。
中日はBクラス生活が続く2013年以降、連続でシーズン2ケタ勝利を挙げた投手は3年連続(13年~15年)の大野雄しかいない。来シーズンこそはBクラスから脱出し、新時代到来を象徴する投手に『18』と『20』を背負ってほしいところだ。