大砲が火を吹けば…
シーズン最終盤に滑り込みでAクラス入りを果たした矢野阪神。しかしクライマックスシリーズでは宿敵・巨人のと戦力差を露呈した格好で今季の戦いを終えている。
阪神のラインナップは近本、木浪のルーキーコンビをはじめ、今後成長が見込める20代前半~半ばの選手が多数ラインナップに名を連ねており、今季のドラフトでは高校生を中心に指名。数年先を見据えた補強戦略をとった。
この流れは助っ人編成にも如実に現れた。残留が決まっているマルテに加えて、左の大砲・ボーア、韓国の打点王・サンズといった左右のスラッガーを獲得。まずは長打力・得点力不足といった明確な課題を手っ取り早く解決しようと2人の助っ人を迎えている。
気がかりなのは、チームの強みであったブルペンの柱だったドリスとジョンソンが退団すること。ドリスは四球絡みで自滅する印象もあったが、実は加入してから年々制球の指標を向上させており、4年目の今季はキャリアハイとなる防御率2.11、WHIP0.85の好成績を残していた。もう一本の柱・ジョンソンについては周知の通り。来日1年目で防御率1.38、42ホールドポイントというリーグトップクラスの数字を残し、わずか1年でMLBへ“逆輸入”となってしまった。
ただ、阪神は抑えに返り咲いた藤川、島本、岩崎、守屋ら、日本人投手だけでもある程度は計算が立ちそうな顔ぶれが揃っている。さらに今季ソフトバンクでプレーした中田賢一、スアレスの2投手、ガンケル、エドワーズといった新助っ人を立て続けに獲得し、先発・リリーフともに戦力の拡充をに努めた。
既存のガルシア、呂彦青も含めて来季は外国人選手8人体制。今季ファーム調整を命じられていたソラーテが「モチベーションの低下」をきっかけに退団してしまうという事件があったが、ここは「一軍外国人4枠」から“競争意識”というポジティブな作用を期待したいところ。助っ人4枠の効果を最大限引き出すことができれば、優勝争いも見えてくるはずだ。
2019年内のIN/OUTまとめ
【IN】
▼ 補強
<投手>
中田賢一
ジョー・ガンケル
ロベルト・スアレス
ジョン・エドワーズ
<内野手>
ジャスティン・ボーア
<外野手>
ジェリー・サンズ
▼ ドラフト指名
<投手>
西 純矢(1位/創志学園高)
及川雅貴(3位/横浜高)
小川一平(6位/東海大九州キャンパス)
<捕手>
藤田健斗(5位/中京学院大中京高)
<内野手>
遠藤 成(4位/東海大相模高)
<外野手>
井上広大(2位/履正社高)
小野寺暖(育1位/大阪商業大)
奥山皓太(育2位/静岡大)
【OUT】
▼ 現役引退
ランディ・メッセンジャー
髙橋聡文
横田慎太郎
▼ 自由契約
<投手>
ピアース・ジョンソン
ラファエル・ドリス
岡本洋介 ⇒ 現役引退
歳内宏明 ⇒ 独立リーグへ
<捕手>
小宮山慎二 ⇒ 現役引退
<内野手>
鳥谷 敬
エフレン・ナバーロ
ヤンハービス・ソラーテ
山崎憲晴 ⇒ 現役引退
森越祐人 ⇒ 西武へ