ニュース 2020.01.05. 12:00

球界のあすを担う新世代「1994年組」 早くも“復活”が待たれる選手も…

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阪神・藤浪晋太郎

あすの日本球界を担う世代


 年が明けて2020年、令和になってはじめての年越しも無事に終わり、“令和2年”の幕が開けた。

 改元フィーバーのなか、これまで以上に“時代”というものを強く意識させられた2019年。着実に時代は移り変わっていくなか、年が進むにつれて進行していくのが世代交代の波。とくに「○○世代」と世代くくりでの話も多い野球界では、次なる新星たちの誕生が大きな注目を浴びる。
 
 思い返して見ると、少し前までは松坂大輔を中心としたいわゆる「松坂世代」、1980年生まれの世代(1980年4月2日~1981年4月1日生まれ)が球界をリードしてきた。しかし、その松坂世代もすでに39歳。2020年は40歳のシーズンとなる。現役選手も数えるほどとなり、今では球界の中心にいるとは言い難い。


 そんななか、現在の日本野球界における中心的存在になっているのが、田中将大(ヤンキース)や坂本勇人(巨人)、柳田悠岐(ソフトバンク)らが揃う1988年生まれ世代(1988年4月2日~1989年4月1日生まれ)である。

 田中と前田はすでに海を渡り、このオフには秋山翔吾もメジャーに挑戦。ほとんどの選手が2020年シーズンを32歳で戦うとあって、まさに“脂の乗っている時期”と言っていい。

 しかし、32歳という年齢を考えると、一般的に見ればここから大きな成長を見込むのは酷なこと。多くは少しずつ緩やかに下降線をたどっていくことにある。


 では、そんな彼らの後を継ぐのは一体どの世代か…。いまもっとも勢いを増しているのが、1994年生まれ世代(1994年4月2日~1995年4月1日生まれ)だ。

 大谷翔平(エンゼルス)がすでにメジャーリーグで結果を残し、国内に目を向ければ鈴木誠也(広島)が広島の主砲に君臨。オフに行われた『プレミア12』では、日本の4番として堂々たる結果を残した。

 その他にも、近本光司(阪神)は新人王こそ届かなかったが、その活躍が認められて「新人特別賞」を受賞。さらに西川龍馬(広島)や柳裕也(中日)がブレイクを果たすなど、2020年に向けてまさに勢いに乗ってきたところだ。


“復活”を目指す選手も…


 ただし、当然ながら全員が順風満帆に来ているわけではない。プロ入り後すぐに頭角を現しつつあったなか、伸び悩んでいる選手も多くいる。25歳にして、早くも“復活”を期待されている選手たちである。

 この世代でもっとも伸び悩んでいると言っても過言ではないのが、藤浪晋太郎(阪神)だろう。大阪桐蔭高校時代には甲子園で春夏連覇を達成。阪神に入団後も3年連続で2ケタ勝利を達成するなど、間違いなく世代のトップランナーのひとりだった。

 しかし、近年は結果が出ておらず、2019年はわずか1試合の登板に終わっている。毎年のように復活を期待する声が挙がるなか、制球難に苦しんでかつての輝きを取り戻すことができず。2020年は文字通り「背水の陣」で臨むことになるだろう。

 投手では、ほかにも笠原祥太郎(中日)や畠世周(巨人)、濱口遥大(DeNA)といったところも伸び悩んでいる。いずれも一軍の戦力として機能したシーズンはあったが、故障もあって継続して戦力となることはできず。どの選手も一軍で勝てる力はあるだけに、復活を期待したい。


高卒8年、大卒4年


 野手陣では、吉川尚輝(巨人)と田中和基(楽天)がこの世代だ。

 吉川は2019年に開幕スタメンを掴み、直後は4割近い打率を残すなど好スタートを切ったものの、腰痛の影響で4月上旬に戦線離脱。結局、シーズン中に一軍へと復帰することは叶わず、改めてレギュラー争いに加わることになってしまった。

 2018年の新人王である田中も、開幕前に故障した影響もあってか調子が上がらず、昨季は低空飛行が続いた。5月には骨折で登録を抹消されるなど、一軍では59試合の出場にとどまり、レギュラーの座を明け渡す形となってしまった。吉川と同様、怪我からの復活が期待される。


 「1994年組」も、高卒組は今年でプロ8年目、大卒組も4年目を迎えることとなる。年齢的にも若手から中堅になる頃合いだ。

 後輩もどんどん入ってくるなか、結果が残せなければ厳しい通告も待っているこの世界。一度は結果を残した選手であっても、それは例外ではない。

 大谷や鈴木と言った柱が活躍を見せるなか、彼らに負けじと競りかけていく選手がひとりでも多くなれば、“世代”くくりで注目を浴びることでより良い相乗効果が生まれてくることだろう。かつての松坂世代や1988年組がそうだったように。

 2020年は次の日本球界を支える「1994年組」に注目だ。


▼ プロ野球界の「1994年組」

<西武>
中塚駿太(投)
田村伊知郎(投)
相内 誠(投)
山野辺翔(内)

<ソフトバンク>
田中正義(投)
真砂勇介(外)

<楽天>
森 雄大(投) ※育成契約へ
弓削隼人(投)
池田隆英(投) ※育成契約へ
菅原 秀(投)
岩見雅紀(外)
田中和基(外)
則本佳樹(投) ※育成選手
下妻貴寛(捕) ※育成選手
南 要輔(内) ※育成選手

<ロッテ>
佐々木千隼(投)
田村龍弘(捕)
宗接唯人(捕)
松田 進(内)

<日本ハム>
生田目翼(投)
石井一成(内)

<オリックス>
竹安大知(投)
澤田圭佑(投)
黒木優太(投) ※育成契約へ
左澤 優(投)
神戸文也(投)
張 奕 (投)

<巨人>
畠 世周(投手)
吉川尚輝(内野手)
松原聖弥(外野手)
山川和大(投手) ※育成選手
高山竜太朗(捕手) ※育成選手

<DeNA>
濵口遥大(投)
笠井崇正(投)
佐野恵太(内)

<阪神>
藤浪晋太郎(投)
尾仲祐哉(投)
小野泰己(投)
福永春吾(投)
齋藤友貴哉(投)
長坂拳弥(捕)
片山雄哉(捕)
木浪聖也(内)
北條史也(内)
大山悠輔(内)
近本光司(外)

<広島>
矢崎拓也(投)
床田寛樹(投)
西川龍馬(内)
鈴木誠也(外)
髙橋大樹(外)

<中日>
柳 裕也(投)
濱田達郎(投)
大藏彰人(投) ※育成選手
京田陽太(内)
溝脇隼人(内)
武田健吾(外)

<ヤクルト>
中尾 輝(投)
星 知弥(投)
坂本光士郎(投)
田川賢吾(投)
吉田大成(内)



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※お詫びと訂正
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近本選手が受賞したのは「新人王」ではなく、正しくは「新人特別賞」です。
お詫びして訂正いたします。

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