◆ 背番号63に愛着
昨季チームトップタイの8勝を挙げたロッテの種市篤暉は、今季から背番号『16』を背負う。
背番号『63』のユニフォームを着て行った今から3年半前の新入団会見で、種市は「頑張ってもっと若い番号をつけられるように、これから頑張っていきたいと思います」と意気込み、その目標を叶えた形となる。
新入団会見で若い番号を着けたいと話した種市だが、プロに入って『63』を着けてプレーするうちに「個人的にはかっこいいと思っている」と自分の背番号に愛着を持ち始めていた。その一方で、昨季の活躍を受けて、球団から若い背番号を提示されたら背番号を変更するのかとシーズン終了後に聞くと、「言われちゃうと揺れるかもしれないです」とも話していた。
そして今オフ、背番号を『63』から『16』に変更となった。
「今でも(63番は)かっこいいと思っていますし、5、6年くらい着けていたら、その番号でいきますという感じになっていたと思います」。
「(背番号変更は)早いかなと思ったんですけど、心機一転、もっと頑張ろうという気持ちになれたので、そこはよかったんじゃないかなと思います。やっぱり、10番台はピッチャーの憧れだと思います。言われたときは嬉しかったです」。
◆ 結果を残さないと
背番号が小さくなったことで、今まで以上に気が引き締まったという。
「期待の若手ではなく、結果を残さないといけない立場。まだ若いですけど、ローテーションを守っていくという意味では、16番に恥じないピッチングをしないといけないと思っています」。
今オフはエース・涌井秀章が楽天へ金銭トレードで移籍し、先発陣を引っ張るエース格としての活躍も期待される。「去年8勝して、今年もそれ以上の成績を残してくれると計算していると思うので、それ以上の活躍をしないといけない。貯金(の数)も、これからエースになりたいと思っているので、大事じゃないかなと思っています」と本人も自覚する。
3年目の昨季、オールスター明けは10試合に登板して7試合でクオリティ・スタート(6回3自責点以内)をクリアし、4勝1敗、防御率2.66とエース級の存在感を示した。背番号『16』となった今季、シーズン通して安定した成績を残し、マリーンズの“エースは種市”と誰からも認められる存在になって欲しいところだ。
取材・文=岩下雄太