横浜の高校出身ルーキーへの期待
ベイスターズ期待のルーキーたちが、『DOCK OF BAYSTARS YOKOSUKA』内にある若手選手寮「青星寮」に入寮した。
ドラフト1位の森敬斗選手(桐蔭学園高)は真新しいスーツ姿で入寮し、「いよいよ」と気を引き締めた表情で第一声。「不安よりもワクワクしている感じ」と、現在の心境を明かした。
持参した物は、桐蔭学園高が春の選抜に出場した際に、チーム全員に先輩の高橋由伸氏から贈られたというパーカー。「偉大な先輩、高橋由伸さんからいただいた。着ると気合いが入るので、毎日着たい」と、笑顔で語った。
年末年始は自宅でゆっくり過ごしつつ、「ランニング、ティーバッティング、素振りや兄を相手にキャッチボール」と身体は動かし続け、目前に迫った新人合同自主トレーニングでは「土台を作って、準備をする。焦ってケガをしても意味がないので、計画を持って毎日意味のある一日を過ごしたい」と、明確な目的意識をもって臨む。
2019年は「甲子園、U-18、ドラフトと、色々あって濃い1年だった」と振り返り、2020年は「新たな世界に入っていくが、自分を見失わずに今までやってきた通りに」と、足元を見つめた。
また、「一軍に出て結果を残したい」と、ルーキーイヤーの目標を掲げたが、「ちゃんと部屋を整理できるか不安」と、高卒ルーキーらしい一面も覗かせ、その堂々とした態度からは大物感も漂っていた。
即戦力期待の左腕
一方、ドラフト2位指名を受けた左腕の坂本裕哉投手(立命館大学)は、まず「入寮して実感が沸いてきた」と心境を語り、「何もかも揃っている。野球に専念できる」と、昨年出来たばかりの施設に興味を示した。
年始年始から「筋肉トレーニングやランニングボールも投げ、全ての面で準備をしてきた」と、新人合同自主トレに向けてスタンバイ済み。「ケガをしないように、キャンプに向けてしっかりいい準備期間にしたい」との思いを口にした。
チーム内には立命館大学の先輩・東克樹もおり、その東から受けた「しっかり練習して、飛ばし過ぎないように」とのアドバイスを念頭に置きつつ、即戦力という期待に応える覚悟も垣間みせた。
持参した物は「好きな赤に、中はベイスターズの水色」をあしらったという、新調されたグローブ。中には「一つの目標に向かって強い意志をもち続け、物事を達成するまで変えないこと」という意味で、坂本自身が大切にしている「磨穿鉄硯(ませんてっけん)」という文字が刺繍されていた。
7人全員が入寮
この日は7人全員が入寮し、新人合同自主トレに向かってスタートラインに立った。4位指名の強肩強打のキャッチャー・東妻純平選手(智弁学園和歌)は「打てるキャッチャーとして、1年でも早く一軍で活躍できるように」、5位の大型ショートストップ・田部隼人選手(開星高校)は「同じ高卒でショートの森に”負けないぞ”という気持ちで」、右のパワーヒッター・6位指名の蝦名達夫選手(青森大)は「開幕一軍の目標に向けて覚悟を持ってきた」と、それぞれ抱負を語った。
新人合同自主トレは8日から30日まで『DOCK OF BAYSTARS YOKOSUKA』にて行われる。船渠との意味を有する“DOCK”からプロという大海原へ――。7人の若武者たちの航海は、すぐにスタートする。
取材・文・写真=萩原孝弘(はいぎわら・たかひろ)