「ソフトバンク」では初
2020年の年明けから早1週間が経過。プロ野球界も2月1日の“球春到来”まで1カ月を切り、各球団が新シーズンに向けて再び動き始めている。
なかでも注目を集めているのが、新入団選手たちの動向だ。いよいよはじまる「プロ1年目」に向けて、新たな拠点となる選手寮への引っ越しが話題に。早くも新人選手たちによる合同自主トレがスタートしている球団もあり、ファンにとってはキャンプを前に顔と名前と背番号を覚えていくチャンスになる。
リーグ制覇こそ逃したものの、2年連続でクライマックスシリーズを勝ち上がり、日本一3連覇を成し遂げたソフトバンク。シーズンではどうしても離脱者に泣いて詰めが甘くなるものの、メンバーが揃った時の強さを改めて証明する格好となった。
秋のドラフト会議では、1巡目で東邦高のスラッガー・石川昂弥に手を挙げるも抽選で敗れ、再入札でJR西日本の外野手・佐藤直樹を指名。事前の予想では1位級の注目を集めていた選手ではなく、やや驚きの選択となった。
50メートル走で6秒を切る快足に、遠投では120メートルを記録する強肩。高い身体能力がウリのアスリートタイプで、巨大戦力を誇るチームの中でやや手薄だった“右の外野手”として大きな期待を受けている。ちなみに、これまでドラフト1位は投手という印象の強かったソフトバンクだが、1位で野手を指名したのは2010年の山下斐紹以来。社会人出身者となると、さらにさかのぼって1977年の中出謙二が最後だった。
外野陣では福田秀平がFAで抜けたとはいえ、新たにウラディミール・バレンティンが加入。ポジション争いを勝ち抜くのは容易ではないが、野手の高齢化が進む点が課題になっていることもあって、やはり佐藤のようなフレッシュな力の台頭が待たれるところ。1年目からチャンピオンチームのレギュラーポジションを掴むことができるだろうか。
ソフトバンクの新入団選手
※コメントはすべて新入団発表時のもの▼ 1位:佐藤直樹(さとう・なおき)
外野手/21歳 右投右打 JR西日本
背番号:30
<球団評>
強肩、駿足、強打と三拍子そろった貴重な右打者の外野手。将来リードオフマンとして外野手の一角を狙う逸材。遠投120メートル、50メートル5秒8。今年の都市対抗では3戦連続2安打をマークした。
<コメント>
「今までは実感がなかったですが、ユニフォームに初めて袖を通したことで変わってきました。ホークスには日本を代表する選手がたくさんいますが、僕も息の長い、活躍できる選手になりたいです。柳田悠岐選手のように、走攻守3拍子そろった選手になりたいです」
▼ 2位:海野隆司(うみの・たかし)
捕手/22歳 右投右打 東海大
背番号:62
<球団評>
送球の速さとボディーストップ能力に長けた大学ナンバーワン捕手。コミュニケーション能力も高く、次世代のレギュラー候補。大学日本代表では正捕手を務めた。
<コメント>
「(甲斐が背負った「62」)最初は驚きました。でも嬉しかったです。甲斐選手のスローイングを真似して自分で取り入れた部分もあります。まだ比べられるような選手ではないので、レベルアップしたいです」
▼ 3位:津森宥紀(つもり・ゆうき)
投手/21歳 右投右打 東北福祉大
背番号:11
<球団評>
MAX149キロ、強い腕の振りで投げっぷりの良いパワー系サイドスロー右腕。大学3年時の大学選手権ではストッパーとして全試合登板し、19回を投げ自責0と活躍しMVPを受賞。全日本などの高いレベルの経験値もあり、マウンド度胸の良い実戦派投手。
<コメント>
「セールスポイントは右打者の内角を突いていく強気のピッチングだと思います。目標は1年目から60試合登板。ホークスの中継ぎ陣の層は厚いですが、そこに入って行きたいです。ライオンズの強力打線、クリーンナップを抑えたいです」
▼ 4位:小林珠維(こばやし・じゅい)
内野手/18歳 右投右打 東海大札幌高
背番号:69
<球団評>
高校生離れした打球速度と長打力は非凡な物があり、右の大砲候補として期待。投手としてもMAX150キロとポテンシャルは非常に高く鍛えがいのある選手。
<コメント>
「長距離砲としてプロ野球を代表する右打者になりたいです。松田(宣浩)選手のように熱く、プレーで見せていきたいと思います。支配下ドラフトは大卒・社会人が居る中で僕だけ高校生ですが、だからと言って負けないように、一日も早く一軍でやりたいです」
▼ 5位:柳町 達(やなぎまち・たつる)
外野手/22歳 右投左打 慶応義塾大
背番号:32
<球団評>
しなやかにバットを振り抜けるヒットメーカー。特に逆方向への打撃はハイレベル。どんな投手も組んせずバットでレギュラー獲りに期待。
<コメント>
「まずは一軍が目標。層が厚い中でも食い込んでいけるように、そしてホークスでも欠かせない存在になりたいです。中村晃選手のようになりたい」
▼ 育成1位:石塚綜一郎(いしづか・そういちろう)
捕手/18歳 右投右打 黒沢尻工高
背番号:121
<球団評>
高校通算39本塁打の長打力が魅力の捕手。捕手としての経験値は低いが、投手としても140キロを超す地肩の強さと非凡な長打力は、ポテンシャルが高く鍛えがいのある選手。
<コメント>
「日本一のチームのユニフォームを着ることができて嬉しいです。これから自覚を持ってやって行く覚悟もできてきました。僕は育成選手なので、たくさんのことに挑戦したいと思っています。甲斐選手のような肩、城島選手のようなバッティングに定評のある選手になりたいです」
▼ 育成2位:大関友久(おおぜき・ともひさ)
投手/22歳 左投左打 仙台大
背番号:122
<球団評>
MAX148キロ、186センチ90キロと大型でオーソドックスなオーバースロー左腕。大型ながらバランス良く多彩な球種で緩急とコンビネーションで抑えるスタイル。
<コメント>
「プロ野球選手になったという実感がわいてきました。目標は沢村賞です。今のままではこんなこと言えるレベルじゃないのは分かっています。将来的にそういう賞を獲れる選手になりたいです」
▼ 育成3位:伊藤大将(いとう・だいすけ)
内野手/18歳 右投右打 八戸学院光星高
背番号:128
<球団評>
走攻守にバランスが取れた二塁手。安定した守備力とシャープな打撃が魅力。
<コメント>
「日本一強いチームで野球ができるという楽しみでいっぱいです。高校時代、自分が打てばという試合がたくさんあった。プロ野球ではしっかり打てるようになりたいです。内川(聖一)選手のように、毎年凄い打率を残せる選手に。たくさん練習して一日も早く支配下登録されるよう頑張ります」
▼ 育成4位:勝連大稀(かつれん・はるき)
内野手/18歳 右投左打 興南高
背番号:130
<球団評>
守備センス抜群な遊撃手。足もあり、非力だが打撃センスもある。将来レギュラーを狙える逸材。
<コメント>
「ユニフォームに袖を通した印象は……軽くて、動きやすいユニフォームだなと思いました。持ち味は堅実な守備です。投手を助けられる選手なりたい。憧れは今宮健太選手です。どんな打球に対しても基本の動作で、同じようにできる堅実な選手になりたいです。僕は小さくて細いので、土台となる体づくりからやっていきたい」
▼ 育成5位:舟越秀虎(ふなこし・ひでとら)
外野手/18歳 右投右打 城北高
背番号:131
<球団評>
身体能力抜群。ベース一周14秒00の脚力で、中学の時には陸上部に借り出される能力。
<コメント>
「これから覚悟を持ってやりたいと思います。何事にも下を向かず、足を生かした守備範囲と走塁で目立ちたいです。また、高校の先輩である牧原(大成)選手も育成入団から活躍されているので、自分も見習っていきたいです」
▼ 育成6位:荒木翔太(あらき・しょうた)
内野手/18歳 右投右打 千原台高
背番号:136
<球団評>
特徴は打撃スイング軌道のすばらしさと、脚力も兼ね備えている大型三塁手。鍛えたら大化けするタイプ。
<コメント>
「やっと自分がプロ野球選手になったんだなという実感がわきました。同時に責任感も感じます。目標は三冠王。野手として、みんな目標としているタイトルだと思うので。目標は松田(宣浩)選手です。存在感のある選手になりたいです」
▼ 育成7位:村上 舜(むらかみ・しゅん)
投手/17歳 左投左打 山形中央高
背番号:143
<球団評>
小柄ながら投げっぷりが良く、奪三振率が高い左腕。空振りを取れるストレートのキレが魅力。
<コメント>
「志がないと上に行けないと思うので、しっかり志を持って取り組みたいです。楽天の松井裕樹投手のように、ストレートで押せて、内角もズバズバ攻める投手になりたい。ひとつひとつ、目標達成できるように頑張りたいです」
【新人合同自主トレ】
・期間:1月11日(土)~29日(水)
└ 休日:13日(月・祝)・17日(金)・21日(火)・25日(土)・28日(火)
※変更の場合あり
・場所:HAWKSベースボールパーク筑後