昨季は村上宗隆がブレイク
キャンプインまで1カ月を切り、自主トレの報道も多くなってきた。昨年のドラフト会議で指名を受けたルーキーたちも続々と入寮し、新人合同自主トレもはじまっている。
そんななか、プロ入り3年目を迎える清宮幸太郎が1月6日に自主トレを公開し、「(本塁打を)30本、40本打ちたい」と力強く決意表明。2017年のドラフト会議では、高校通算111本塁打という大記録を引っさげ、7球団が競合した末に日本ハム入り。鳴り物入りでの入団だったが、同学年の村上宗隆(ヤクルト)が一足先に大ブレイクした。
村上は、2019年シーズンの開幕スタメンを手中にすると、1試合の欠場もなく全143試合に出場。清宮の7本塁打を大きく上回る36本塁打をマークするなど、高卒2年目の野手として記録を次々と塗り替えた。
清宮も初年度から2年続けて7本塁打を放ち高卒の野手としてはそれなりの数字を残しているが、村上の数字には到底及ばない。今年こそはレギュラーを確固たるものにし、村上に追いつき、そして追い越したいという強い思いもあるだろう。
日本人の30本塁打は小笠原と中田だけ
清宮が目指すと宣言した「30本塁打」という数字だが、昨シーズンは両リーグ合わせて14人が到達している。そのうち日本人選手は8人だ。30本塁打は強打者の証ともなる数字だけに、当然のことながら達成者は多くない。
日本ハムの日本人選手というくくりで見ていくと、シーズン30本塁打到達者は2015年の中田翔まで遡ることになる。また、札幌ドームに移転した2004年以降で30本塁打を達成したのは、その中田と、今シーズンからヘッド兼打撃コーチに就任した小笠原道大たったふたりしかいない。
清宮自身が、札幌ドームでの日本人打者における30本塁打達成者を把握しているのかはわからないが、かなり高いハードルを自らに課したと見ていい。
昨シーズンの日本ハムは5位に沈んだこともあり、投手・野手ともにとにかく新しい風が必要だ。このオフ、野手では巨人を自由契約となったビヤヌエバを獲得したが、その他に大きな動きはない。上位浮上のためにも現有戦力の底上げは欠かせないだろう。
もちろん、栗山英樹監督も清宮には大きな期待をかけている。このオフもトークショーなどで、「(清宮は)間違いなく打つ。3割30本」といった奮起を促すようなコメントを発し続けていることからもそれはよくわかる。栗山監督が描く戦い方において、清宮は野手のキーマン的な存在になるはずだ。
しかしながら、清宮は万全な状態で開幕を迎えたことがない。1年目は右手親指の骨挫傷、2年目は右手有鉤骨骨折と故障に泣かされている。いくら高いポテンシャルがあっても、故障で一軍に不在では意味がない。まずは怪我なく開幕を迎えることが第一段階だろう。
清宮が30本塁打をクリアできれば、チームの上位浮上も現実的なものになる。小笠原や中田のように、日本ハムの歴史に名を残せる1年となるだろうか。
▼ 移転後の日本人30本以上
2005年:37本/小笠原道大
2006年:32本/小笠原道大
2015年:30本/中田翔
<打撃成績>
・清宮幸太郎
2018年:7本/53試合 打率.200(160-32)18打点
2019年:7本/81試合 打率.204(250-51)33打点
[通算]14本/134試合 打率.202(410-83)51打点