ニュース 2020.01.14. 16:00

2020年の「野球殿堂入り」発表 田淵幸一氏ら3名が新たに名を刻む

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2008年の北京五輪では星野仙一監督(右)の下、コーチとして代表チームを支えた田淵幸一氏(左)

“令和最初”の殿堂入り


 公益財団法人・野球殿堂博物館は14日、「2020年 野球殿堂入り通知式」を開催。競技者表彰で田淵幸一氏、特別表彰で前田祐吉氏、石井連藏氏が新たに野球殿堂入りを果たした。

 『野球殿堂』とは、日本の野球の発展に大きな貢献した人物の功績を永久に讃え、顕彰することを目的に1959年に創設。リストナンバー「001」の正力松太郎からはじまり、今年の3名を加えて総勢207名が歴史にその名を刻んでいる。


「競技者」部門はエキスパート表彰から田淵氏のみ


 田淵氏は、競技者表彰委員会・エキスパート表彰で殿堂入り。有効投票数の75%以上で選出となるなか、80.7%にあたる109票を集めて見事に殿堂入りを果たした。

 法政一高から法政大を経て阪神に入団すると、ルーキーイヤーからレギュラーとして活躍。捕手として史上初の新人王に輝くなど、球界屈指の“打てる捕手”として鳴らし、1975年には本塁打王のタイトルも獲得。あの王貞治氏の「14年連続本塁打王」を阻止したことでも大きな注目を集めた。

 1979年からは戦いの場を西武へと移し、プロ通算16年で通算474本塁打をマーク。引退後はダイエーで監督を務めるなど指導者の道に進み、2008年の北京五輪では日本代表チームのコーチも務めている。


 なお、競技者表彰の「プレーヤー表彰」では、当選に必要な得票数を満たした候補者がおらず、今年は“該当者なし”という結果に。今季からヤクルトの監督を務める高津臣吾氏が259票を集めるも、得票率は「73.2%」。わずか「7票」足りずに殿堂入りを逃している。


▼ 第60回競技者表彰委員会・プレーヤー表彰開票結果

───
【該当者なし】
───
259票 高津臣吾(73.2%)
233票 アレックス・ラミレス(65.8%)
218票 川相昌弘(61.6%)
206票 宮本慎也(58.2%)
127票 野村謙二郎(35.9%)
121票 桑田真澄(34.2%)
104票 小久保裕紀(29.4%)
102票 前田智徳(28.8%)
102票 タフィ・ローズ(28.8%)
87票 石井琢朗(24.6%)
72票 稲葉篤紀(20.3%)
61票 城島健司(17.2%)
41票 山﨑武司(11.6%)
39票 佐々岡真司(11.0%)
34票 田口 壮(9.6%)
32票 赤星憲広(9.0%)
28票 中村紀洋(7.9%)
16票 桧山進次郎(4.5%)
14票 石井一久(4.0%)
4票 岩村明憲(1.1%)
3票 金子 誠(0.8%)

☆投票内容
表彰委員総数=361
投票委員数=354
有効投票数=354
当選必要数=266(有効投票の75%)


▼ 第60回競技者表彰委員会・エキスパート表彰開票結果

───
【◎】109票 田淵幸一(80.9%)
───
89票 ランディ・バース(65.9%)
62票 掛布雅之(45.9%)
49票 大沢啓二(36.3%)
40票 柴田 勲(29.6%) 
37票 長池徳士(27.4%) 
28票 加藤秀司(20.7%)
27票 土橋正幸(20.0%)
21票 足立光宏(15.6%)
17票 高田 繁(12.6%)
17票 梨田昌孝(12.6%)
16票 岡田彰布(11.9%)
15票 中畑 清(11.1%)
14票 佐藤義則(10.4%)
12票 松岡 弘(8.9%)
11票 達川光男(8.1%)

☆投票内容
表彰委員総数=138
投票委員数=135
有効投票数=135
当選必要数=102(有効投票の75%)


特別表彰は2名


 また、特別表彰では前田祐吉氏と石井連藏氏の2名が新たに殿堂入り。

 前田氏は慶應大で選手として活躍した後、社会人野球での活躍を挟んで母校の監督に就任。1985年の秋にはリーグ戦10勝無敗での優勝を飾るなど、慶應大に数々の栄光をもたらしたほか、1996年のアトランタ五輪では全日本アマチュア野球連盟強化対策委員長として銀メダル獲得に貢献。さらに翌年からはアジア野球連盟事務局長として、野球途上国の支援や中古の野球道具の寄付を行うなど、野球の普及に貢献した。

 一方、石井氏は早稲田大で選手として活躍した後、こちらも社会人野球での戦いを経て母校の監督に就任。1960年の秋には「早慶六連戦」を制し、早稲田大を優勝に導いている。その後、1972年の朝日新聞社在籍時には、生原昭宏氏の協力を仰ぎ、日米大学野球選手権大会の実現に尽力。さらに1988年に早稲田大学の監督に復帰すると、1990年の春に優勝。ほかにも全日本大学野球連盟や日本学生野球協会の要職を務め、少年野球育成にも携わるなど、アマチュア野球の発展に尽力した。


▼ 第59回特別表彰委員会・開票結果
───
【◎】12票 前田祐吉(85.7%)
【◎】11票 石井連藏(78.6%)
───
7票 川島勝司(50.0%)
4票 谷村友一(28.6%)
3票 水島新司(21.4%)
2票 古関裕而(14.3%)
2票 佐山和夫(14.3%)
1票 松前重義(7.1%)
0票 太田 誠(0.0%)
0票 近藤兵太郎(0.0%)


野球殿堂


1. 競技者表彰

【プレーヤー表彰】

▼ 対象者
現役を引退したプロ野球選手で、引退後5年以上経過した人。(※選考対象となるのはその後15年間)

▼ 選出方法
野球報道に関して15年以上の経験を持つ委員(約300人)が投票。75%以上得票すればが殿堂入りとなる。


【エキスパート表彰】

▼ 対象者
・現役を引退したプロ野球の監督・コーチで、引退後6カ月以上経過している人。
・現役を引退したプロ野球選手で、引退後21年以上経過した人。

▼ 選出方法
すでに殿堂入りした人(約30名)と、競技者表彰委員会の幹事と野球報道年数30年以上の経験を持つ委員(約70名)が投票。75%以上得票した人が殿堂入りとなる。


2. 特別表彰

▼ 対象者
・現役を引退したアマチュア野球の競技者(選手、コーチ、監督)で、選手は引退後5年、コーチ、監督は引退後6ヶ月以上経過している人。
・プロ及びアマチュア野球の審判員で、引退後6ヶ月以上経過している人。
・プロ及びアマチュア野球の組織または管理に関して野球の発展に顕著な貢献をした人、しつつある人。
・日本の野球の普及及び発展に顕著な貢献をした人、しつつある人。

▼ 選出方法
プロ野球の役員及び元役員、アマチュア野球の役員、野球関係学識経験者(14名)が投票。75%以上得票した人が殿堂入りとなる。

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