新チームの救世主候補は…?
2020年の年明けから早くも2週間が経過。1月もあっという間に折り返し地点を迎え、2月1日の“球春到来”がいよいよ近づいてきた。
新シーズンに向けて様々な準備を行ってきた各球団。なかでも大きな注目を集めるのが、“新加入選手”たちの動向だ。前年の反省、さらにはオフの動きを踏まえたうえで、足りない部分を埋める存在として期待を受けてやってくる男たち。期待に応えてチームの救世主となることができるのか、彼らの働きぶりがシーズンを左右すると言っても過言ではない。
そこで今回は、“球春到来”を前に各球団の新加入選手をピックアップ。まずは昨季セ・リーグ最下位に沈んだヤクルトから。
投手陣再建が最優先
ヤクルトと言えば、何と言っても課題は投手陣。ドラフト会議でも即戦力の投手を中心に指名したが、オフの補強もやはり投手が中心となった。
近年はパ・リーグから引っ張ってきた選手の活躍が目立つなか、今オフは楽天を自由契約になった今野龍太と、ソフトバンクの育成選手だった左腕の長谷川宙輝を獲得。ともにまだ若く、キッカケさえ掴めば化ける可能性も秘めた両腕を迎え入れた。
さらに助っ人では、球団からの公式なアナウンスは未だ出ていないものの、12月にガブリエル・イノーアとマット・クックという2人の長身右腕と契約合意に至ったことが複数のメディアから報じられている。
イノーアはまだ26歳という若さながら、先発・中継ぎ問わずメジャーで55試合に登板した速球派の投手。クックは約190センチの長身から繰り出す力強いボールがウリの29歳で、現時点ではともに先発として期待する声が多い。
昨季は39歳の大ベテラン・石川雅規がチーム最多勝だったという投手事情に加え、デービッド・ブキャナンの退団も決定。新助っ人には、どちらもローテーションの一角としてシーズン通した働きが期待される。
野手は経験豊富なビッグネーム
野手では長らく主砲を務めたウラディミール・バレンティンが退団となったなか、代役となるような大砲候補の補強はなし。それでも、経験豊富なビッグネームを獲得したことで話題を集めた。
そのひとりが、内野手のアルシデス・エスコバー。メジャー通算1437試合の出場を誇る経験豊富な遊撃手で、2015年にはロイヤルズの主力としてワールドシリーズ制覇に大きく貢献。守備の栄誉・ゴールドグラブ賞にも輝いている。
ヤクルトと言えば、宮本慎也の引退以降は遊撃のポジションで確固たるレギュラーが不在。昨季の出場数を見ても奥村展征の64試合というのが最多だった。活きの良い若手が出てきても、レギュラー奪取にはもう一押し足りずという状況が続いており、戦力としてはもちろんのこと、特に守備面における身近なお手本、さらには若手たちの奮起を促す意味でも、大物の加入は大きな意味を持つだろう。
また、国内からは楽天で長らく正捕手を務めていた嶋基宏を獲得。近年は出場機会を減らしていたが、大卒1年目からレギュラーとして多くの経験を積み、抜群のリーダーシップでチームを牽引してきた。こちらも戦力面だけでなく、様々なプラス要素をもたらすことができる選手である。
あとは、新たに加わったカードを高津臣吾新監督がどのように使っていくのか。コーチ陣も含め、新生ヤクルトの腕の見せどころになる。最下位からの逆襲へ、新戦力たちの活躍は欠かせない。
ヤクルトの新加入選手
【投手】
▼ ガブリエル・イノーア
※球団公式未発表
生年月日:1993年5月26日(26歳)
出身:ドミニカ共和国
投打:右投右打
身長/体重:188センチ/93キロ
[昨季成績] 36試(110.2回) 1勝10敗 防5.61
[MLB通算] 55試(163.2回) 4勝13敗 防5.39
▼ マット・クック
※球団公式未発表
生年月日:1990年11月2日(29歳)
出身:アメリカ合衆国
投打:右投左打
身長/体重:190センチ/98キロ
[昨季成績] 9試(20.2回) 0勝0敗 防9.15
[MLB通算] 36試(125.1回) 6勝6敗 防4.88
▼ 今野龍太(前楽天)
背番号:69
生年月日:1995年5月11日(24歳)
出身:宮城県
投打:右投右打
身長/体重:178センチ/70キロ
[昨季成績] 4試(9.0回) 1勝0敗 防10.00
[NPB通算] 15試(23.3回) 1勝0敗 防8.75
<コメント>
「楽天時代は数少ない登板数だったので、1試合ずつ積み重ねていって、終わってみればキャリアハイというか、20〜30試合投げたいと思っています」
▼ 長谷川宙輝(前ソフトバンク)
背番号:90
生年月日:1998年8月23日(21歳)
出身:東京都
投打:左投左打
身長/体重:175センチ/78キロ
[昨季成績] 一軍登板なし
[NPB通算] 一軍登板なし
【捕手】
▼ 嶋 基宏(前楽天)
背番号:45
生年月日:1984年12月13日(35歳)
出身:岐阜県
投打:右投右打
身長/体重:179センチ/82キロ
[昨季成績] 57試 率.209(110-23) 本3 点15
[NPB通算] 1402試 率.242(3846-930) 本26 点311
<コメント>
「昨シーズンは怪我もあり、なかなかチャンスがなかったので、本当に野球に飢えています。それをグラウンドで表現するだけだと思っているので、ヤクルトが一つでも上の順位にいけるように。自分に何が出来るかを考えてプレーしたいです」
【内野手】
▼ アルシデス・エスコバー
背番号:2
生年月日:1986年12月16日(35歳)
出身:ベネズエラ
投打:右投右打
身長/体重:185センチ/88キロ
[昨季成績] メジャー出場なし
[MLB通算] 1437試 率.258(5307-1367) 本41 点442
<コメント>
「この度、スワローズから日本でプレーできる機会をいただき、私も家族も大変嬉しく思っています。次のキャリアステップとして新たなチャレンジに挑むことを非常に楽しみにしています。既に来季に向けたトレーニングを開始しており、ファンの皆様の期待に応えられるよう頑張ります」