新チームの救世主候補は…?
2020年の年明けから早くも2週間が経過。1月もあっという間に折り返し地点を迎え、2月1日の“球春到来”がいよいよ近づいてきた。
新シーズンに向けて様々な準備を行ってきた各球団。なかでも大きな注目を集めるのが、“新加入選手”たちの動向だ。前年の反省、さらにはオフの動きを踏まえたうえで、足りない部分を埋める存在として期待を受けてやってくる男たち。期待に応えてチームの救世主となることができるのか、彼らの働きぶりがシーズンを左右すると言っても過言ではない。
そこで今回は、“球春到来”を前に各球団の新加入選手をピックアップ。ここでは、今年こそBクラス脱却を目指す中日を取り上げる。
ゴンサレスにかかる期待
与田新監督を迎え、低迷打開をめざした2019年は結果こそ5位に終わったものの、年間45失策は2004年の記録に並ぶセ・リーグの最少タイ記録で、守備率.992はリーグ新記録。“守り勝つ野球”で強さを取り戻す、その第一歩は切れたように思う。
そのなかで、長らく伸び悩んでいた高橋周平が攻守に存在感を発揮。野手の新たな柱が立ちつつあり、投手陣でも柳裕也が自己最多の11勝を挙げるなど、ドラフト1位で獲得しながら苦悩していた有望株たちが徐々に頭角を現してきているのは、トンネル脱出へ向けた希望の光となった。
ただし、オフには最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得したジョエリー・ロドリゲスがレンジャーズと契約を結び、メジャーリーグへ。64試合に登板して41ホールドを稼いだ剛球左腕の退団はチームにとって大きな痛手になることは間違いない。
そんな中、現時点で決まっている投手の補強はルイス・ゴンサレスのみ。昨年行われた『プレミア12』にキューバ代表の一員として参戦した若き右腕ヤリエル・ロドリゲスと契約合意に至ったことは報じられているものの、今のところ球団からの公式発表はなく、それも育成契約となる模様。未知数な点は否めない。去就が不透明だったなか、なんとか残留にこぎつけたライデル・マルティネスとともに、柱となる助っ人がもう1枚ほしいところだ。
野手では打線の軸であるダヤン・ビシエドに加え、故障で今季どうなるか不安視されていたソイロ・アルモンテとも契約を延長。育成契約で獲得したモイセ・シエラには、どちらかが有事の際のバックアップ的な役割が大きくなりそうだ。
とはいえ、中日のドミニカルートには成功例も多いだけに、現時点での予想をはるかに上回る“良い誤算”となる可能性も大いにある。逆に言えば、新戦力が思わぬ大当たりとなった際には、Aクラス復帰も一気に近づいてくることだろう。
中日の新加入選手
【投手】
▼ ルイス・ゴンサレス
背番号:57
生年月日:1992年1月17日(27歳)
出身:ドミニカ共和国
投打:左投右打
身長/体重:188センチ/93キロ
※MLB出場歴なし
[昨季成績(AAA)] 23試(29.0回) 1勝4敗 防8.69
[マイナー通算] 219試(550.0回) 32勝36敗 防4.79
<コメント>
「日本の中日ドラゴンズと2020年シーズンの契約ができたこと、とてもうれしく思います。私にとっては新しいチーム。新たな期待感でいっぱいです。チームが勝てるよう、100%自分の力を発揮し貢献したいです」
▼ ヤリエル・ロドリゲス (育成?)
※球団公式未発表
生年月日:1997年3月10日(22歳)
出身:キューバ
投打:右投右打
☆プレミア12・キューバ代表
【外野手】
▼ モイセ・シエラ (育成)
背番号:211
生年月日:1988年9月24日(31歳)
出身:ドミニカ共和国
投打:右投右打
身長/体重:185センチ/105キロ
[昨季成績] メジャー出場なし
[MLB通算] 207試 率.235(469-110) 本9 点41
<コメント>
「日本の中日ドラゴンズと2020年シーズンの契約ができたこと、とてもうれしく思います。現在はドミニカ共和国のウインターリーグに出場しています。しっかりと準備をして育成選手から支配下選手に這い上がり、自分の力を出して中日ドラゴンズの勝利に貢献したいです」