新チームの救世主候補は…?
2020年の年明けから早くも2週間が経過。1月もあっという間に折り返し地点を迎え、2月1日の“球春到来”がいよいよ近づいてきた。
新シーズンに向けて様々な準備を行ってきた各球団。なかでも大きな注目を集めるのが、“新加入選手”たちの動向だ。前年の反省、さらにはオフの動きを踏まえたうえで、足りない部分を埋める存在として期待を受けてやってくる男たち。期待に応えてチームの救世主となることができるのか、彼らの働きぶりがシーズンを左右すると言っても過言ではない。
そこで今回は、“球春到来”を前に各球団の新加入選手をピックアップ。ここでは、昨季もリーグ2位ながらクライマックスシリーズを勝ち上がって日本一3連覇を成し遂げたソフトバンクを取り上げる。
NPB通算288発のバレンティンが加入
終わってみれば日本一3連覇。見事に“平成最後”と“令和最初”のチャンピオンに輝いたソフトバンク。しかし、昨季もやはり故障者に泣いたシーズンで、ペナントレースは最後の最後で西武に差し切られてしまった。戦力が揃っている時の強さというのはポストシーズンで証明しているだけに、「いかに離脱者を出さないか」がリーグ奪還の最大のポイントになる。
もともと戦力は充実しているチームなだけに、このオフはトレードで中田賢一やFAで福田秀平といった流出の方がメインとなり、なかなか補強に積極的な動きを見せていなかったが、12月に入って大きく動く。
まずは、かねてから噂はあったものの、ヤクルトを退団したウラディミール・バレンティンを獲得。12球団最多タイの183本塁打をマークした打線に、NPB通算288発の男が加入するという恐ろしい事態となっている。
ただし、本塁打のわりに得点が少なかったというのは事実で、総得点582はリーグ4番目の数字。12球団で一番多くの本塁打を放ちながら、大量点にはつながらなかったということ。リーグNo.1の防御率が示す通り投手陣が踏ん張ったなか、「もう少し点が取れていれば勝てた」「もう少し点が入っていれば楽な展開になった」というシーンが多々あっただけに、バレンティンの加入は大きなプラスとなることだろう。
また、投手ではメジャー通算54勝の左腕マット・ムーアの獲得に成功。2013年にはシーズン17勝を挙げた実績があり、その実力は疑う余地はない。
ただし、昨年4月に打球を右膝に受けるアクシデントに見舞われ、半月板の手術を行ったことから残りのシーズンを全休。その状態だけが気になるところ。逆に言えば、その問題さえクリアになっていれば、千賀とともに左右の2枚看板として君臨しても不思議ではないだろう。
ソフトバンクの新加入選手
【投手】
▼ マット・ムーア
背番号:37
生年月日:1989年6月18日(30歳)
出身:アメリカ合衆国
投打:左投左打
身長/体重:190センチ/95キロ
[昨季成績] 2試(10.0回) 0勝0敗 防0.00
[MLB通算] 181試(894.2回) 54勝56敗3ホールド 防4.51
<コメント>
「今回こうして新しくソフトバンクホークスの一員になることができ、とてもワクワクしています。ここ数ヶ月、NPBやホークスについて学習し、NPBがいかに競争力あるリーグで、ホークスというチームがいかにプロ意識の高い選手の集まりかということを知りました。来季から始まる日本での新しいキャリアを楽しみにしつつ、このオフシーズンの間にしっかりと良い準備をし、2020年のホークスの優勝に貢献したいと思います。そして熱狂的なホークスファンの皆さんに喜んで貰えるようなパフォーマンスが出来るよう、全力で頑張ります!」
【外野手】
▼ ウラディミール・バレンティン (前ヤクルト)
背番号:4
生年月日:1984年7月2日(35歳)
出身:オランダ領アンティル・キュラソー島
投打:右投右打
身長/体重:185センチ/100キロ
[昨季成績] 120試 率.280(410-115) 本33 点93
[NPB通算] 1022試 率.273(3513-959) 本288 点763
<コメント>
「この度、ソフトバンクホークスの一員になれた事に心から感謝しています。僕にとってはとても光栄なことであり、非常に喜んでいます。また、新しい環境で好きな野球が出来ることに幸せを感じています。日本でのこれまでの経験を活かし、2020年のホークスのリーグ優勝、4年連続日本一を果たす為、全力を尽くします。福岡のファンの皆さんに会うのを楽しみにしています」