戸田球場のブルペンで調整した小川 [写真=別府勉]

◆ ノースロー調整中も「順調」

 ヤクルトの新人合同自主トレが19日も埼玉・戸田球場で行われ、注目を集めるドラフト1位・奥川恭伸(星稜高)ら6選手が汗を流した。

 いよいよ迫ってきた2月1日のキャンプインに向けて、今月7日から始まったトレーニングも第3クールが終了。あっという間に半分以上を消化した。初日から大勢のファンや報道陣が集まるなかで調整を続けているドラ1右腕だが、16日には「右肘の炎症」を抱えていることが球団から発表され、キャンプも二軍スタートが決定的に。心配する声も挙がったが、「間違ったことはやっていないと思うので、しっかり充実した自主トレーニングを送れているかなと思う」と、本人はいたって前向きだ。

 この日もベースランニングや投内連携といったメニューを精力的にこなしており、自分自身を見失うことなく練習に励んでいる。

◆ 復活を目指すエースも

 “球春到来”にそなえて調整を行っているのは、ルーキーたちだけではない。この日、新人選手とともに戸田のグラウンドに姿を現したのが、エースの小川泰弘だ。

 昨季はチームで唯一規定投球回をクリアしたものの、5勝12敗で防御率4.57と本来の実力を発揮できずに終わっているだけに、「開幕に合わせてしっかりとキープして上げていきたい。スタートダッシュができるように」と、逆襲に向けて早くも闘志を燃やしている。

 「最初のブルペンだったので、立ち投げですけど、バランスとタイミング、力の入れ方を意識しました」と小川。つづけて、「正確性を意識してやっている。力を入れるタイミングが一番大事だと思う」と取り組んでいる課題を明かしつつ、「指にもかかっていたと思うし、悪くなかったと思う」と手ごたえを口にした。

◆ 小川「(奥川は)球団の宝だと思う」

 昨季リーグ最下位に沈んだチームにおける最大の課題と言えば投手陣。再び上位争いを演じるために、“エースの復活”は不可欠な要素だ。

 今年で節目の30歳を迎える右腕は、「若い選手がどんどん出てきたら競争力が高まるし、出てきてほしい」と若手の奮起に期待。注目を集める奥川について聞かれると、「(チームには)優しい先輩も多いですし、アドバイスをもらいながら、マイペースでできたらいいんじゃないかと思う」とし、「球団の宝だと思うし、順調に伸びてほしい選手。みんなでバックアップしたい」と、先輩として助言を行うことも約束した。

 一方の奥川も、「小さい頃、石川県の球場でプロ野球の試合を見たときに投げていたのが小川さん。そのときに『すごいな』と思ったのを覚えている。いろいろ聞くことができれば嬉しいなと思う」と“先輩”に対する印象を語り、「心の持ち方や、まだ実際に(プロの)試合をしていないので、プロ野球はどういう世界なのかを聞いてみたい」と初々しく話している。

 昨秋のドラフト会議では、1位の奥川のほかにも2位~4位で即戦力候補の大卒投手を立て続けに獲得。新戦力だけでなく、チームには昨季4勝を挙げた左腕の高橋奎二ら有望な若手もいるだけに、彼らが互いに刺激し合い、競い合うことでどれだけ成長できるか。それがチーム浮上のカギを握っていると言っても過言ではない。

 エースの復活と、若手の突き上げ。高津新監督が目指す「投手陣の再建」には、この2つが欠かせない。

取材・文=別府勉(べっぷ・つとむ)

【別府勉・プロフィール】
1981年、神奈川県生まれ。野村克也監督時代の黄金期からヤクルトスワローズを応援し、学生時代を中心に全国各地の球場を回った。大学卒業後はスポーツ紙の取材編集の仕事を経て、Web業界へ。『ベースボールチャンネル』への寄稿を機に、野球ライターとして活動開始。

この記事を書いたのは

別府勉

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