◆ 「本人の感覚がどこで戻るか」
ロッテの“ゴールデンルーキー”佐々木朗希投手が、春季キャンプで一軍スタートとなることが決まった。
ロッテは22日、都内で約2時間に及ぶコーチ会議を行い、終了後に井口監督が「上の方でスタートさせます。体力も含めて、吉井コーチのもとフォームしっかり固めるということもありますので」と、一軍帯同を明言。佐々木と同期入団の佐藤都志也、高部瑛斗、横山陸人、福田光輝ら支配下入団の他4選手も一軍、育成ルーキーの本前郁也、植田将太は二軍スタートになることがわかった。
井口監督はドラ1右腕・佐々木について「同じプロのレベルでやってほしい。ペースはこっちでみながら、彼のペースの中でやらせたい。全体練習に全部入るというわけではない」と、個別メニューも用意しながら、まずは吉井理人一軍投手コーチのもとで育成する方針を明かした。
吉井コーチも、佐々木のブルペン入りについては「本人の感覚がどこで戻るか。ぼくは飛ばしていって感覚が戻るまでに一年半かかったけど、そうならないようにこっちでコントロールしてやっていきたい」と、自身の経験談も交えながらゴールデンルーキーの育成には慎重を期す方針だ。
「まずは体力をつけていかなきゃいけないんだけど、彼が投げる感覚、これが高校のときの絶好調に戻らないと実戦にはいけない。そこの作業をキャンプでやっていく」と語り、今後については「傾斜を使って投げる感覚は、一回鈍らせると戻すのが難しい。いろんな環境で投げてもらって徐々に近づいていけたら。実際に見てみて行けると思ったらマウンドで投げると思うけど、そこは彼の状態も見ながら、話も聞きながらになる」と、焦らずじっくり育成する方針を強調した。
ロッテは2月8日に台湾・楽天モンキーズと交流試合を行うが、ここでの佐々木の登板については「ない(井口監督)」と断言。吉井コーチも育成スケジュールについては「ぼやっとは考えてますけど、うまくいくかはわからないので」と多くは語らなかったが、昨年の高卒でプロ入りした古谷拓郎、土居豪人を引き合いに出し、「去年の子たちも慎重に、感覚が戻るまでブルペンには入らなかったですけど、それと同じようなペースになる」との考えを示した。
最速163キロ右腕は一軍には帯同するものの、じっくり、ゆっくりとプロ野球界のキャリアをスタートすることになりそうだ。