ニュース 2020.01.27. 13:30

巨人軍春季キャンプ、元・電気工など育成選手4人を「1軍」に抜擢

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新人合同自主トレ後、女性ファンにサインする巨人育成D1位・平間隼人=2020年1月17日 川崎市・ジャイアンツ球場 写真提供:産経新聞社
話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。今回は、巨人の春季キャンプ振り分けで、1軍メンバーに抜擢された育成選手たちにまつわるエピソードを取り上げる。

巨人は23日、宮崎春季キャンプの振り分けを発表しました。今年(2020年)は2月1日のキャンプインの時点で、1軍・2軍・3軍の選手がすべて宮崎に集結。フラットな目で全員を見たいという原監督の意向によるものですが、全選手が宮崎でスタートするのは4年ぶりのことです。

2月15日から1軍のキャンプ地は沖縄に移りますが、そのメンバーに入れるかどうかはまさに横一線。今年は例年にも増して、厳しいサバイバルレースが展開されそうです。

注目の振り分けですが、「S班」で独自調整を認められた坂本・丸・亀井・炭谷の4選手を除き、宮崎では「1軍」「ファーム」の2組に分かれる形になりました。

今回発表された1軍メンバーは39人。注目は、育成選手が抜擢されていることです。与那原大剛(21、投手)、黒田響生(19、内野手)、平間隼人(23、内野手)、八百板卓丸(23、外野手)の4人。今シーズン、久々にFA補強がゼロに終わった巨人ですが、ならばこれを機会に、広島のように「育てて勝とう」という意思を感じます。

4人のうち、八百板卓丸(やおいた・たくまる)は昨季(2019年)まで楽天でプレーしていた選手で、1軍出場も経験していますが、他の3人は生え抜きで、まだ1軍経験はありません。いったいどんな選手なのか? キャンプ前にちょっとご紹介しましょう。

まず與那原大剛(よなはら・ひろたか)は、沖縄・普天間高から2015年、ドラフト3位で入団。今年5年目、189センチの高身長から投げ込む速球が魅力の右腕です。将来を期待されていましたが、2年目の2017年に右ヒジ靱帯を損傷、翌2018年にトミー・ジョン手術を受けました。オフにいったん自由契約となり、育成選手として再契約。昨年8月、ファームの試合で実戦復帰を果たしました。

手術明けのリハビリ中、励みになったのは、同じ15年入団組の活躍でした。ドラフト1位・桜井俊貴、2位の重信慎之介、5位の山本泰寛、7位の中川晧太、育成1位の増田大輝……同期入団の彼らが1軍に定着し、戦力になっているのを見て「ようし、自分も!」と決意を新たにした與那原。巨人が育成で残したのも、その才能を買ってのことです。

自主トレは、尊敬する先輩で、ブルージェイズに移籍した山口俊と故郷・沖縄で一緒に汗を流しました。1軍キャンプでアピールし、再び支配下登録→初の1軍登板を目指します。

黒田響生(くろだ・ひびき)は敦賀気比高から、2018年の育成ドラフト4位で入団。この年のドラフトで、全体最下位で指名された選手です。しかしその才能は高く評価されており、守備範囲の広さと強肩が武器。1年目の昨シーズン(2019年)は、途中から遊撃のポジションに定着しましたが、打率が1割台と低迷。3軍落ちも経験しました。

3軍で課題の打撃を鍛え直し、8月、年に1度東京ドームで行われる2軍戦に出場。相手は日本ハムでしたが、元チームメイトの吉川光夫から左翼席にホームランを放ったのです。しかもそれが“公式戦プロ1号”。こういう晴れ舞台で記念のアーチを打てるのは、やはり何か持っています。

「東京ドームの景色は最高でした! 1軍のこの舞台でプレーするという目標を持って、プロの世界に入って来た。改めて、少しでも早く1軍に、と強く思いました」

その意気やよし。阿部慎之助2軍監督も「(坂本)勇人が19歳のころよりも、黒田の方が上」とその才能を認める逸材が花開くか、注目です。

そして今回、巨人軍では初の「育成ルーキー・キャンプ1軍スタート」と話題になっているのが、平間隼人(ひらま・はやと)です。鳴門渦潮高から、四国アイランドリーグplus・徳島インディゴソックスに入団。2015年から独立リーグで5年“ほど”プレーしました。“ほど”と言うのは2018年、家庭の事情で一時野球をやめ、10ヵ月ほど電気工事士として働いていた時期があったからです。

しかし夢が諦めきれず、草野球を続けながら再度独立リーグに復帰。50メートルを5秒9、「四国一の俊足」を買われて巨人入りを果たし、さらにキャンプ1軍を勝ち取ったのですから、まさに“シンデレラボーイ”です。

同じ徳島インディゴソックスから2015年、巨人に育成1位で指名され、昨シーズン1軍昇格。チームトップの15盗塁を決めた同郷の先輩・増田大輝は、二塁のポジションを争うライバルでもあります。守備力に関しては、同じ徳島県鳴門市出身の楽天・藤田一也と、独立リーグ時代からオフに合同自主トレを行っており、内野守備の名手からノウハウを学んで来ました。

熾烈を極める巨人の二塁手争いですが、そこに割って入って来そうな勢いの平間。1軍に抜擢されたのは、田中俊太・山本泰寛・若林晃弘・増田大輝ら「93年組」に「ボヤボヤしてると、もっと若いのにレギュラー盗られちゃうぞ」とハッパをかける意味もあるのでしょう。

宮崎では目の色を変えた選手たちの姿が見られそうで、安易にFA補強をするよりも、こういうハングリーな育成選手を獲得したほうが、むしろチームの底上げになるのです。

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