次なる球界の顔はオレたち!
MLBエンゼルスの大谷翔平、侍ジャパンの主砲として「プレミア12」MVPに輝いた鈴木誠也(広島)、昨季の「セ・リーグ新人特別賞」近本光司(阪神)、DeNAの新キャプテンに就任した佐野恵太など、いまや球界を引っ張る新世代ともいわれる1994年世代。
2019年のプロ野球界では、その一つ下の“95年世代”が、先輩たちに続けとばかり大暴れした。
この世代の代表格といえば、2013年のドラフト会議で1位指名を受けてプロ入りした松井裕樹(楽天)と森友哉(西武)のふたり。
松井は同年ドラフトで最多の5球団(日本ハム、DeNA、ソフトバンク、中日、楽天)から指名を集め楽天に入団。2年目から3年連続30セーブを挙げて、史上最年少の22歳10カ月で通算100セーブを達成。昨季38セーブを挙げて、ついに自身初タイトルとなる「セーブ王」に輝いた。
対する森は各球団が一巡目で投手を指名するなか、西武が一本釣り。世代屈指のスラッガーはドラフト会議から6年の時を経て、首位打者とシーズンMVPに輝く活躍でチームのリーグ2連覇に貢献。球界屈指の捕手へと成長を遂げた。
ちなみに昨季は彼らと同学年の大学進学組もプロ2年目のシーズンで躍動。ソフトバンクの高橋礼が「パ・リーグ新人王」を獲得すれば、同期入団のスピードスター・周東佑京は「プレミア12」で侍ジャパンの一員として脚光を浴びた。
また、高卒組ではロッテ・二木康太、日本ハム・渡邉諒らも頭角を現してきており、来季はさらなる活躍が期待されている。
故障、不振、現役引退も…
表舞台で脚光を浴びた選手がいた一方で、ケガ・不振に苦しんだ選手や、ユニフォームを脱ぐ決断を下した選手もいた。
高卒組では上林誠知がそのひとり。5年目の2018年に全試合出場を果たすも、昨季は死球を受けての右手骨折の影響から打撃不振に。99試合に出場したが打率.194に終わり、チームが日本一3連覇に沸くなか、ファームでシーズンを終えた。
また、2018年の「セ・リーグ新人王」東克樹(DeNA)は左ヒジのコンディション不良に悩まされて、一軍登板はわずか7試合止まり。年が明けて3年目の復活が期待されていたが、今春キャンプでも左ヒジの違和感を再発させて別メニュー調整と、苦しい状況が続いている。
そして24歳にしてユニフォームを脱いだのが、西武・金子一輝と阪神・横田慎太郎。ともに高校時代に甲子園出場の経験はなかったが、スカウトに将来性を見込まれてプロ入り。横田は3年目に「2番・中堅手」として開幕スタメンを勝ち取るも、翌年2月に脳腫瘍が発覚。懸命のリハビリでグラウンドには戻ってきたが、眼に及んだ後遺症に悩まされて引退を決断した。
環境を変えて活躍する選手も
結果が求められるプロ野球の世界で、戦う環境を変える選手も出てきた。
昨年は7月に楽天と巨人のトレードで古川侑利と和田恋が移籍。和田は巨人での一軍出場は2018年の5試合だけだったが、楽天では31試合に出場して打率.252、2本塁打、11打点をマーク。8月のオリックス戦(楽天生命パーク)でプロ初本塁打を記録するなど、持ち前のパンチ力をついに一軍の舞台で披露した。
また、「変化」でいうと、巨人・田口麗斗はブルペンへの配置転換をキッカケに輝きを取り戻した。3年連続2ケタ勝利を目指した2018年は2勝8敗と不本意な成績に終わったが、昨季はブルペンの一角として信頼を勝ち取り、重要な局面を任される場面も。終わってみれば55試合の登板で14ホールド、防御率4.13の成績、シーズン後には「プレミア12」日本代表にも選出された。
ヤクルト・奥村展征、広島・曽根海成といった過去に移籍を経験した選手も、昨季はキャリアハイの一軍出場数を記録。今季はさらに存在感を示していきたいところだろう。昨季は話題が豊富だったこの世代。さらなる飛躍を見据える選手から、レギュラーポジションの確保、一軍昇格を目指す選手まで、今年も球界の1995年世代に注目していきたい。
【昨季NPBでプレーした1995年世代の高卒入団選手】
☆=春夏問わず甲子園出場経験がある選手
▼ 西武
森 友哉(大阪桐蔭高☆D1位)
金子一輝(日大藤沢高-D4位)※現役引退
▼ ソフトバンク
上林誠知(仙台育英高☆D4位)
▼ 楽天
松井裕樹(桐光学園高☆D1位)
内田靖人(常総学院高☆D2位)
和田 恋(高知高☆巨人D2位)
▼ ロッテ
二木康太(鹿児島情報高-D6位)
▼ 日本ハム
渡邉 諒(東海大甲府☆D1位)
岸里亮佑(花巻東高☆D7位)※戦力外⇒琉球入団
石川 亮(帝京高☆D8位)
▼ オリックス
若月健矢(花咲徳栄高☆D3位)
▼ 巨人
田口麗斗(広島新庄高-D3位)
古川侑利(有田工高☆楽天D4位)
▼ DeNA
関根大気(東邦高-D5位)
平良拳太郎(北山高-巨人D5位)
砂田毅樹(明桜高-育D1位)
▼ 阪神
横田慎太郎(鹿児島実業高-D2位)※現役引退
▼ 広島
中村祐太(関東一高☆D5位)
曽根海成(京都国際高-ソフトバンク育D3位)
▼ 中日
鈴木翔太(聖隷クリストファー高-D1位)
▼ ヤクルト
奥村展征(日大山形高☆巨人D4位)
今野龍太(岩出山高-楽天D9位)