最速150キロ左腕、工藤監督からも高評価
前ソフトバンクで今季からヤクルトに新加入した長谷川宙輝投手(21)が1日、浦添一軍キャンプ初日に56球の投げ込みを行った。
右隣に22歳の高橋、2つ左隣には同じ21歳の寺島と、同世代左腕と同じタイミングでブルペン入り。さらに、途中から高津監督が真後ろから見守るという状況だったが、「自分の世界に入っていました」と、周りを意識することなく黙々と松本捕手のミットに投げ込んだ。
ストレート、スライダー、スラーブ(スライダーとカーブの中間球)、チェンジアップと4球種。中でもストレートの走りが抜群で、この日ブルペン入りした投手の中でトップクラスの球威だった。
東京・聖徳学園高出身の長谷川は、2016年の育成ドラフト2位でソフトバンク入り。最速150キロのストレートは工藤監督からも高い評価を得ていたが、支配下契約をつかめぬまま3年が過ぎた。育成選手は3年目を終えると自動的に自由契約になるため、ヤクルトが支配下選手としてオファー。ソフトバンクも育成選手として再契約する方針だったが、左腕は小・中学生時代にファンクラブに入っていたというヤクルトへの移籍を決断した。
新天地での初キャンプは一軍スタート。「育成から上がってきたので、一歩ずつステップを踏んで行きたい。僕の持ち味はスピードボール。(実戦では)1イニングをしっかり力強く抑えたい」と意気込む。
ヤクルトは昨シーズン、チーム防御率12球団ワーストの4.78でセ・リーグ最下位。投手整備が急務の高津新体制にあって、新たに加わった背番号90が投手陣の救世主になるかもしれない。
取材・文=上村祐作