ツインズの先発陣に厚み
アメリカ現地時間4日に2018年のア・リーグMVP男、ムーキー・ベッツ外野手らを含む“三角トレード”が成立した。ドジャースの前田健太はこれに巻き込まれる形で若手有望株・グラテロル投手(21)とトレード。ミネソタ・ツインズへ移籍することとなった。
前田が加入するツインズは、昨季1チームのシーズン最多本塁打記録となる307本塁打をマークした超強力打線を武器に、9年ぶりにアメリカンリーグ中地区を制覇した。
投手陣では5人が2ケタ勝利をマークしたが、そのうち2人が今オフに退団し、11勝を挙げていたピネダが薬物規定違反の処分で5月まで出場停止。MLB公式サイトが予想した『2020年の開幕ローテーション』には複数の若手投手がラインナップされており、先発投手の“質”にやや不安を抱えていた。
そこで、今オフは昨季ロイヤルズとアスレチックスで計13勝を挙げたベイリー、前レッドソックスのチャシーン、前田の同僚だったベテラン左腕、リッチ・ヒルを獲得。ヒルが肘の手術に踏み切り6~7月頃の復帰が予想されているなかで、前田の獲得が決まり、先発投手陣に厚みをもたらした格好だ。
全てが順調なら「ブルペン」へ…?
米メディア『THE RUNNER SPORTS』は前田がドジャースで中継ぎとして結果を残してきたことにも言及し、「前田の柔軟性と実績からして、6月か7月にヒルが負傷者リストから復帰するまで先発選手として起用されることになりそうだ」と起用法を予想。「ヒルの復帰後は前田をブルペンにまわすこともできる」と、ドジャース時代同様ブルペンで起用される可能性についても言及した。
実際にツインズの先発投手候補をみると、昨年の柱となったベリオス、オドリッジ、ピネダの2ケタ勝利トリオに加えて、新加入のベイリー、チャシーン、手術からの復帰を目指すヒルら、離脱組が戻ってくれば先発の“頭数”には余裕がある模様。彼らがうまくハマるようなら、リリーフでの実績がある前田の配置転換がチーム戦力の最大化につながることになる。
ここ2シーズンは終盤にブルペンへ配置転換されるのが既定路線となっていた前田。新天地でもチームが上手くいくようなら「中継ぎ」での起用が十分考えられるが、それも首脳陣の信頼を勝ち取ってこそ。まずは離脱組が戻ってくるまで「先発」で結果を残し続けたいところだ。
【ツインズの主な先発候補】
▼ ホセ・ベリオス(25歳・右投)
[2019年成績]
32試(200回1/3)14勝8敗 防3.68
▼ ジェイク・オドリッジ(29歳・右投)
[2019年成績]
30試(159回)15勝7敗 防3.51
▼ ホーマー・ベイリー(33歳・右投)
[2019年成績]
31試(163回1/3)13勝9敗 防4.57
※アスレチックスから加入
▼ 前田健太(31歳・右投)
[2019年成績]
37試(153回2/3)10勝8敗 防4.04
※ドジャースから加入
▼ マイケル・ピネダ(31歳・右投)
[2019年成績]
26試(146回)11勝5敗 防4.01
※薬物規定違反により5月まで出場停止
▼ リッチ・ヒル(39歳・左投)
[2019年成績]
13試(58回2/3)4勝1敗 防2.45
※肘手術により6月頃復帰予定
▼ ユーリス・チャシーン(32歳・右投)
[2019年成績]
25試(103回1/3)3勝12敗 防6.01
※レッドソックスから加入
▼ ランディー・ドブノク(25歳・右投)
[2019年成績]
9試(28回1/3)2勝1敗 防1.59
▼ ルイス・ソープ(24歳・左投)
[2019年成績]
12試(27回2/3)3勝2敗 防6.18