ニュース 2020.02.07. 18:30

通算133勝右腕の再起…かつての沢村賞右腕・涌井秀章、16年目の戦い

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楽天・涌井秀章 (C)Kyodo News

16年目の戦いは久米島から


 沖縄本島から西に約100キロ、沖縄諸島に属する島の中でも最も西に位置している久米島。楽天は創設初年度からこの地を拠点に春季キャンプを行っている。

 2020年2月。真新しい背番号「16」のユニフォームを身にまとい、久米島で汗を流しているのが涌井秀章。ロッテからトレードで加入した33歳の右腕だ。


 高校時代は名門・横浜高のエースとして注目を浴び、2004年のドラフト1位で西武に入団。「横浜高から西武にドラフト1位で入団」となれば、プロ野球ファンのほとんどは一人のヒーローの姿を思い浮かべることだろう。涌井は当然のように“松坂2世”として、その将来を嘱望されていた。

 1年目から13試合に登板。1勝6敗、防御率7.32という成績に終わり、“偉大な先輩”と比べると物足りないスタートになったものの、2年目はローテーションに定着して12勝(8敗)を挙げるブレイク。そして、先輩がメジャー挑戦の夢を叶えて旅立っていった2007年には17勝を挙げて最多勝のタイトルを獲得。プレッシャーに押しつぶされることなく周囲の期待に応え、松坂大輔から「レオのエース」のバトンを引き継いだ。


2009年には沢村賞、最多勝は3度獲得


 2006年から2010年まで5年連続で2ケタ勝利をマーク。2009年には自身2度目の最多勝に加え、投手最高の栄誉・沢村賞に輝くなど、大黒柱としてチームを支え続けたものの、2011年に9勝12敗と負け越して連続2ケタ勝利記録も途切れると、2012年には自身の不調とチーム事情もあってリリーフに回る場面も。最終的にはストッパーを任され、リーグ2位となる30セーブを稼ぐ。

 しかし、先発復帰を目指した2013年は苦しい投球が続き、徐々に先発かリリーフか起用法も定まらない厳しい戦いに。最終的にはもう一度抑えに回るも、クライマックスシリーズの勝負どころで打ち込まれるなど、最後まで苦杯をなめた。


 するとそのオフ、FA権の行使を決断。かつての恩師である伊東勤氏が率いるロッテへの移籍が実現すると、この移籍がひとつの転機になる。

 先発という固定の役割を担った男は8勝12敗と負け越しはしたものの、3年ぶりとなる規定投球回の到達を果たすと、2015年には5年ぶりに2ケタ勝利を達成。最終的な勝ち星を「15」まで伸ばし、6年ぶり自身3度目となる最多勝のタイトルも獲得した。

 翌年も2ケタ・10勝に到達したものの、2017年からは再び成績が下り坂に。5勝11敗から7勝9敗と持ち直したかに見えたが、昨季は18試合の登板に留まり、3勝7敗という結果。迎えた12月、突然のトレードが発表され、楽天へと移籍することが決まった。


「先発を勝ち取る」


 涌井を迎え入れたのは、西武時代の同僚にして親交の深かった石井一久GM。チームには則本昂大・岸孝之という2本の柱はあるものの、昨季はその2本ともがアクシデントに見舞われる苦しいシーズンに。その中で、先発陣を支えていた美馬学がFAで移籍したこともあり、やはり涌井には先発としてもう一花……という想いがあることだろう。

 一方、涌井自身は入団会見の際に「希望はもちろん先発ですが、まずポジションを勝ち取らないといけない」とコメント。「貢献したいという思いが強いので、まずキャンプからしっかりアピールを。自分の投げるポジションを獲得したい」と新天地での逆襲にかけている。

 今キャンプでも、早い段階から精力的にブルペンに入って熱投。宣言通りのアピールを見せており、6日には西武時代の同僚である岸孝之、牧田和久といったところと並んで投球練習する姿がファンの間で話題にもなった。彼らの存在というのも、良い刺激になることだろう。

 NPB通算133勝は内海哲也(西武)と並んで現役2番目に多い勝ち星。33歳、まだ足を止める歳ではない。最初の移籍のように、環境の変化をキッカケに蘇ることができるか。涌井秀章の新天地での挑戦がはじまった。



文=尾崎直也

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