オリックス・田嶋大樹

◆ シート打撃、紅白戦で無失点投球

 昨シーズン最下位に沈んだオリックスは、このオフにMLBで通算1939安打、282本塁打の超大物、アダム・ジョーンズを獲得。吉田正尚や杉本裕太郎ら外野陣と積極的にコミュニケーションを取り、早くもチームに溶け込んでいるようだ。中軸として起用されることは間違いなく、リーグワーストだった544得点からの脱却を目指すこととなる。

 また、中継ぎ候補としてタイラー・ヒギンスを獲得。190センチの長身から投げ下ろすストレートを武器に、セットアッパーとしての起用が濃厚。昨季も安定していた先発投手陣には目立った補強はなかったが、その中で大きな期待を寄せられているのが、2017年のドラフト1位左腕・田嶋大樹だ。

 一軍スタートとなった春季キャンプでも、第1クールからブルペン入り。第2クール2日目となった2月7日には、早くもシート打撃に登板した。そのシート打撃では、最速148キロを計測。打者6人に対し3奪三振と結果を残すと、同9日に行われた紅白戦でも1回無失点と順調に調整を続けている。

 田嶋は入団1年目、6月までに6勝(3敗)をマークし、先発ローテーションの一角を担っていたが、6月下旬に左肘の張りを訴えて登録抹消。その後は一軍に復帰することなく、シーズンを終えた。2年目の昨季は、6月5日に一軍初登板。8月半ばまでの約2カ月間で10試合に登板して3勝4敗、防御率3.44の成績だった。

 即戦力として獲得されたドラ1左腕としては、少し物足りない数字となっているが、その思いは田嶋も同様。オフの契約更改後には、「この2年間、悔しい思いしかしていない。1年間ローテーションを守り、勝利に貢献したい」と悔しさを滲ませ、3年目に向けた思いを語っていた。

 不完全燃焼だった2年間を取り返すシーズンにするべく、この2020年は万全のスタートを切ったと見ていいだろう。

◆ 先発左腕不足解消へ

 近年、オリックス投手陣の躍進は目覚ましい。2016年ドラフト1位の山岡泰輔、同4位の山本由伸が昨シーズンは大きく飛躍。山岡は最高勝率、山本は最優秀防御率と揃ってタイトルを獲得し、プレミア12の日本代表メンバーにも選ばれている。もちろん、今年も先発ローテーションの1番手、2番手となる存在だ。

 そこに3本目の柱として左腕の田嶋が加わることができれば、これほど心強いことはない。西村監督も「1年目の前半くらいやってくれれば、3番手に入ってくる」と語り、このキャンプにおける田嶋の好投にも目を細めている。

 田嶋が先発ローテーションに入ってくることで、左右のバランスも取れてくる。先発候補が豊富なオリックスだが、K-鈴木、榊原翼、荒西祐大、張奕などは、いずれも右腕。オリックスの先発左腕では、2018年に9勝をマークしたアンドリュー・アルバースがいるものの、日本人では確固たる投手がいないのが現状だ。

 オリックスの左腕をさかのぼると、規定投球回に到達した左腕は2011年の中山慎也以降ひとりもいない。田嶋が期待通り先発ローテーションに定着すれば、長年続いていた左腕不足も同時に解消される。そういった意味でも、田嶋の復活がチームに与える影響は大きい。

 ジョーンズの加入で打線強化が大きく取り上げられるオリックスだが、田嶋の復活こそが、2014年以来となるクライマックスシリーズ出場へ向けたポイントになるのかもしれない。

▼ 先発候補の昨季成績
【右】山岡泰輔:26試合(170回)13勝4敗 防御率3.71
【右】山本由伸:20試合(143回) 8勝6敗 防御率1.95
【右】K-鈴木:19試合(102.1回)4勝6敗 防御率4.31
【右】榊原 翼:13試合(79.1回)3勝4敗 防御率2.72
【左】アルバース:13試合(63.1回)2勝6敗 防御率5.83
【左】田嶋大樹:10試合(49.2回)3勝4敗 防御率3.44
【右】荒西祐大:13試合(51.2回)1勝4敗 防御率5.57
【右】張  奕: 8試合(27.1回)2勝4敗 防御率5.93

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