大阪桐蔭出身者、NPBに登録されているのは21名
近年の高校野球界において絶大な存在感を誇る名門・大阪桐蔭高。2019年こそ春夏ともに甲子園出場を逃したものの、2010年代では春夏3度ずつ、計6度の全国制覇を成し遂げるなど、まさに最強のチームとして君臨している。
そんなチームで主力を張った選手たちは、プロの世界でも抜群の存在感を発揮。高卒でない選手も含めると、今季は実に21名もの選手がNPBの舞台でプレー。昨季のパ・リーグMVPである森友哉(西武)を筆頭に、今年も注目を集める選手が大勢いる。
球春到来から早10日──。新シーズンの開幕まであと1カ月とちょっと。実戦的な内容も増えてきた春のキャンプで、大阪桐蔭OBたちが連日の猛アピールを見せている。
“最多所属”ロッテの3選手が猛アピール
まずは12球団最多・4名の出身者を抱えるロッテ。2月8日に行われた台湾リーグ・楽天モンキーズとの練習試合で、期待の若手たちが大暴れを見せた。
2018年のドラフト1位、プロ2年目を迎えた藤原恭大は4安打・3打点の大爆発でチームの大勝に大きく貢献。なかでも、9回にライトスタンドの後方に設置された防球ネットまで運んだ衝撃の一発はインターネット上でも瞬く間に拡散され、多くの野球ファンの度肝を抜いた。
10日には、おそらくその映像を見たのであろうダルビッシュ有(カブス)が、Twitterで突然「ロッテ藤原選手のホームラン凄くない?しかもまだ高卒2年目って。。」とつぶやいて再び話題に。プロ2年目の飛躍に大きな期待がかかっている。
さらに、この試合では“後輩”である藤原に負けじと高卒6年目の香月一也も2ランを含む4安打・4打点。仕上がりの良さをアピールすると、ドラフト5位ルーキーの福田光輝も“12球団ルーキー1号”となる本塁打を含む2安打と、まさに“大阪桐蔭デー”に。
この3選手に加え、正捕手争いに挑む江村直也を含めた4名がロッテの大阪桐蔭OB。互いが互いを刺激し合い、開幕一軍入りを掴むことができるのか。引き続き注目だ。
「代表選出」も…
また、10日には思いがけぬニュースも。日本ハムの育成左腕・高山優希にフィリピン野球協会から連絡があり、3月に行われるWBC予選にフィリピン代表の一員として参戦することが決まった。
日本とフィリピンのハーフということで実現した意外なオファー。本人は球団を通じて「大変光栄に思います。この経験をきっかけにして、今シーズンのパフォーマンス向上へとつなげていきたいです」と前向きなコメント。
侍ジャパンで投手コーチを務める球団OBの建山義紀氏も、自身のTwitterで「絶対に良い経験になるので、目一杯頑張って来て欲しい!」とエールを送った。
同じく10日、宮崎県日南市で行われた広島の紅白戦では、大卒2年目の大砲候補・正隨優弥が逆方向へ見事な一発。一軍経験豊富なアドゥワ誠のボールを逆らわずに弾き返してライトスタンドに運んでみせ、ここまでの順調ぶりをアピールしている。
昨季は一軍デビューこそならなかったものの、ファームでは105試合に出場するなど経験を積み、6本塁打と持ち前のパンチ力をアピール。今春のキャンプでは打撃練習からそのパワーに磨きがかかった部分を大いに見せつけており、実戦でもまさに“一発回答”。13日から沖縄に移る二次キャンプの一軍帯同切符を手にした。
ほかにも、忘れてはいけない昨年のゴールデンルーキー、プロ2年目を迎えた根尾昂(中日)も開幕一軍生き残りに向けて奮闘中。本職の遊撃のみならず外野での実戦経験も積みながら、首脳陣にアピールを続けている。
“復活”という観点では、2012年に大阪桐蔭を春夏連覇へと導いたエース・藤浪晋太郎(阪神)が9日に日本ハムとの練習試合に登板。この時期に157キロを計測するなど状態の良さを見せ、2回無失点で今季初登板を飾った。
このように、毎日のように話題を提供している大阪桐蔭OB。勢いそのままに開幕一軍、スタメンの座を勝ち取る選手がどれだけ出てくるのか。今から楽しみだ。
NPBでプレーする大阪桐蔭高出身者
▼ 西武(3名)
2 岡田雅利(捕手/30歳)
10 森 友哉(捕手/24歳)
60 中村剛也(内野手/36歳)
▼ ソフトバンク(0名)
なし
▼ 楽天(2名)
3 浅村栄斗(内野手/29歳)
134 中村和希(外野手/24歳)
▼ ロッテ(4名)
2 藤原恭大(外野手/19歳)
40 福田光輝(内野手/22歳)
53 江村直也(捕手/27歳)
57 香月一也(内野手/23歳)
▼ 日本ハム(3名)
6 中田 翔(内野手/30歳)
37 柿木 蓮(投手/19歳)
148 高山優希(投手/21歳)
▼ オリックス(3名)
36 山足達也(内野手/26歳)
49 澤田圭佑(投手/25歳)
003 中田惟斗(投手/18歳)
▼ 巨人(1名)
62 横川 凱(投手/19歳)
▼ DeNA(0名)
なし
▼ 阪神(2名)
19 藤浪晋太郎(投手/25歳)
21 岩田 稔(投手/36歳)
▼ 広島(1名)
49 正隨優弥(外野手/23歳)
▼ 中日(2名)
6 平田良介(外野手/31歳)
7 根尾 昂(内野手/19歳)
▼ ヤクルト(0名)
なし