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現指揮官の半数はノムさんの下でプレー…球界に遺る“野村イズム”

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ヤクルトOB戦で打席に立つ野村克也氏

日本が誇る“名選手で名監督”


 2月11日、祝日の少しゆったりとした午前に飛び込んで来た突然の訃報──。名選手にして名監督、日本の野球界にその名を刻んだ野村克也さんがこの世を去った。84歳だった。

 現役時代は南海ホークスで強打の捕手として活躍。1965年には打率.320・42本塁打・110打点の活躍で戦後初の三冠王にも輝き、ほかにも8年連続の本塁打王や6年連続の打点王など、今なおパ・リーグ記録として残る偉業を打ち立てている。

 また、引退前から選手兼監督として非凡な才能を発揮。現役を引退してから少し間をおいて1990年から監督に就任したヤクルトでは、Bクラスが定位置だったチームにデータを重視した“ID野球”を持ち込んで見事にチームを再建。4度のリーグ優勝、そのうち3度は日本一へと登り詰めた。

 その後も阪神、楽天と近況の苦しいチームを託されることが多く、自身が率いた時期は優勝こそならなかったものの、阪神も楽天もそれからほどなくしてリーグ制覇を経験。バラエティに富んだ談話、いわゆる“ボヤキ”は晩年の代名詞だった。


脈々と流れる“野村イズム”


 卓越した頭脳と洞察力、常識にとらわれない発想力で数えきれないほどの財産を野球界に遺した“ノムさん”。豊富なキャリアからこれまで指導に関わった人数もケタ違いで、今回の訃報に対しては様々な場所から哀悼の声が挙がっている。

 なかでも、現役のプロ野球監督からのコメントが多く見られ、気になって調べてみたところ、実に今季の12球団の指揮官のうち、実に半数にあたる6名は現役時代に“野村監督”の下でプレーをした経験を持っていた。


【“野村監督”と12球団指揮官の関わり】

▼ 南海ホークス(1968~1977)
なし

▼ ヤクルトスワローズ(1990~1998)
・辻 発彦(1996~1998)=現・西武監督
・三木 肇(1996~1998)=現・楽天監督
・栗山英樹(1990)=現・日本ハム監督
・高津臣吾(1991~1998)=現・ヤクルト監督

▼ 阪神タイガース(1999~2001)
・矢野燿大(1998~2001)=現・阪神監督
・与田 剛(2000)=現・中日監督

▼ 東北楽天ゴールデンイーグルス(2006~2009)
なし


 西武を率いる辻発彦監督というと、現役時代も西武の印象がどうしても強いが、晩年はヤクルトへ移ってヤクルトで現役を引退している。なお、西武を退団する流れになった際、声をかけたのがほかでもない野村監督だったという。

 やはり、ノムさんとしてはライバルとして激闘を繰り広げた黄金期レオの中心選手としての印象が強かったのだろう。昨年、とあるテレビ番組の企画で「ノムさんが選ぶ平成のベストナイン」を選出した際にも、多くの名選手がひしめく二塁手部門では辻の名前を挙げ、「野球の神髄みたいな選手」と絶賛していた。


 ほかにも、少し意外なところでは、日本ハムを率いる栗山英樹監督や中日を率いる与田剛監督が現役ラストイヤーに野村監督の下でプレー。

 栗山監督は昨年出版した著書『野球が教えてくれたこと』のなかでその1年を振り返っており、短い期間のなかで多くのことを学ぶことができた、と感謝の想いを綴っている。


 思えばNPBの監督のみならず、この夏に大勝負を控えている侍ジャパンを率いているのも、野村監督時代のヤクルトでプレーをした稲葉篤紀監督。巨星は堕ちても、その血は確実に受け継がれ、今なお球界に脈々と流れている。

 悲しみを乗り越え、天国の恩師に良い報告を…。2020年は“野村チルドレン”の奮起に期待がかかる。

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