かつての6球団競合ドラ1が武者修行へ
西武は15日、大石達也球団本部ファーム・育成グループスタッフをニューヨークに派遣することを発表。メッツ傘下のセントルーシー・メッツでコーチ修行を行うことが決まった。
2010年のドラフト会議で6球団から1位指名を受けた怪物が、球団の未来を背負って海を渡る──。
あのドラフトから10年、大石達也がアメリカへ。この話を当時の野球ファンに教えたら、誰もが選手としてメジャーリーグに挑戦するのだと思うことだろう。
しかし、多くのファンもご存知の通り、大石は昨季限りで現役を引退。今季から球団の育成グループのスタッフに転身した。かつてのドラフトの目玉の新たな戦いに大きな注目が集まるなか、1年目から大きな挑戦がはじまる。
渡辺久信GM「すべて吸収するぐらいの気概で」
西武は昨年5月、メジャーリーグのニューヨーク・メッツとパートナーシップ契約を締結。その契約に盛り込まれていた内容のひとつに「人材の派遣」というものがあり、コーチング技術やデータ活用法、さらにはメディカル・フィジカル面における選手育成のノウハウをお互いに学ぶことを目的としている。
今回の大石の渡米は、球団が掲げる事業ビジョン「チーム/育成の強化」の取り組みの一環。メッツ傘下のシングルAチーム、セントルーシー・メッツにほぼ1シーズン帯同する予定で、投手コーチを務めながら、そこでコーチング技術も学んでいく。
メッツとの協力について「これを機に、より一層の育成強化に努めていきたい」と語っていた渡辺久信GMも、「大石には、チームを強化するにあたり、特に若手選手の育成方法などメジャー流の指導方法を学んできてほしい。その他、吸収できるものはすべて吸収するぐらいの気概で頑張ってきてもらいたい」と期待を寄せている。
大石本人も、当初は「驚きしかなかった」と率直な気持ちを吐露したが、「良い機会をもらえたので、育成に限らずいろんなことを吸収してきたい」と前向き。
黄金期の再来、新たな常勝軍団の礎を築いていくために…。西武はスタッフの育成にも力を注いでいく。
▼ 大石達也・コメント
(メッツへの派遣について)
最初に言われたときは驚きしかなかった。
ただ、それから時間も経ち、
今では良い機会をもらえたので、
育成に限らずいろんなことを吸収してきたいと感じている。
今後の西武に少しでも力になれるよう頑張ってきたい。