昨季のファーム首位打者&最高出塁率
中日の石川駿内野手(29)が16日、広島との練習試合(沖縄・北谷)に途中出場し、一発を含む3打数3安打、計4出塁と大暴れした。
スタメン出場したビシエドに代わり、2回表から「4番・一塁」に入った石川駿。3回に巡ってきた第1打席で左前打を放つと、5回は1番・武田、2番・高橋の連続ソロで追撃ムードが高まったあと、このイニングだけでチーム3本塁打目となるソロ弾を左翼席へ運んだ。
8回にも中前打を放ち、途中出場ながら猛打賞を達成。9回の第4打席はファウルで粘ったあと四球をもぎ取り、全打席出塁を果たした。
与田監督は試合後、石川駿と武田の名を挙げ、「このキャンプでは新たなスタイルに取り組んでいて、それが結果として出ている。レギュラーを脅かす存在になってきた」と評価。開幕まで残り約1ヵ月、「今後は出場機会が限られてくるが、結果を出してくれればチャンスは広がる」とアピール継続に期待を寄せた。
石川駿は昨季、一軍出場8試合でわずか1安打に終わったものの、ウエスタン・リーグでは首位打者(.317)と最高出塁率(.368)のタイトルを獲得。中日は昨季、チーム打率は.263でリーグ1位ながら、出塁率は同5位の.317。選んだ四球数もリーグで最も少ない349四球だった。
3安打も見事だったが、9回二死から選んだ四球も石川駿の持ち味。明大時代の1学年先輩で昨シーズン二塁のレギュラーを掴んだ“マスター”こと阿部寿樹に続く、遅咲きの大ブレークに期待したい。
取材・文=上村祐作