復活を目指す背番号「18」
巨人の菅野智之投手(30)が23日、那覇で行われている楽天とのオープン戦に先発登板。2回までは危なげなく無失点に抑えるも、3回に楽天のドラ1ルーキー・小深田大翔に適時打を許すなど、3回を投げて3安打、1失点という内容でオープン戦初登板を終えた。
2012年ドラフト1位でのプロ入りから今年が8年目。ルーキーイヤーからいきなり13勝をマークするなど、7年のキャリアで6度の2ケタ勝利を記録。言わずと知れた巨人のエースであるが、昨季は腰のコンディション不良に苦しめられて不安定なシーズンに。チーム2位の11勝こそ挙げたものの、防御率3.89は自己ワーストの数字だった。
不振脱却に向けて、大きく変わったのが投球フォーム。文字だけで説明するとなると難しいのだが、走者なしの状況では顔の前にグラブを構えたところから投球動作をスタートすると、そこから円を描くようにグラブを下ろしてから右耳の横まで引き上げ、そのままの勢いでボールを投げ込んでいく。
新フォームで挑んだ初回は3番・島内宏明を三振に斬って取るなど、三者凡退の好スタート。2回は先頭のステフェン・ロメロに左中間に弾き返される安打を許したものの、初の走者にも動じることなく、落ち着いて後続を斬って無失点。高卒ルーキー・黒川史陽の投ゴロの際には軽快なフィールディングでダブルプレーを完成させており、腰の不安など感じさせない動きを見せる。
しかし、3回は味方の失策と安打で一死一・三塁というピンチを招くと、相手が仕掛けたダブルスチールは捕手・小林誠司と遊撃手・増田大輝の落ち着いた対応で本塁タッチアウト。大きなプレーで二死二塁としたが、1番・小深田に一二塁間突破の安打を許してしまい、この間に走者が生還。1点を失ってしまった。
この回は変化球が高めに浮いてしまうシーンも目立ち、失点後も二死一塁から鈴木大地に対して3ボール・1ストライクとカウントを苦しくしたが、ここは素早い一塁牽制で小深田を仕留めてピンチ脱出。この日は3回を投げて42球、被安打3、奪三振1で1失点という内容でマウンドを降りた。
昨季は山口俊が投手三冠に輝く大活躍を見せ、菅野に代わってエース級の働きぶりでチームを支えたが、その山口がオフにメジャー挑戦の夢を叶えて退団。となれば、リーグ連覇と悲願の日本一奪還に向けては“菅野の復活”が不可欠な要素になる。
開幕まであと1カ月。巨人の「18」の調子は戻るのか、引き続き注目だ。
文=尾崎直也