近づく五輪…「金メダル、大丈夫でしょ!」
日米球界で長きに渡って活躍を見せ、昨季途中で現役を引退した上原浩治氏が27日、都内で行われた『2020年スカパー!プロ野球メディアラウンドテーブル』にゲストとして登場。いよいよ迫ってきた東京五輪や、後輩のメジャー挑戦、そして自身の今後のことについて語った。
昨年5月20日、シーズン中に突然の現役引退を発表した上原氏。それも「今季限り」ではなく、その日に引退という衝撃の発表は大きな話題を呼んだ。
オフには国際大会『プレミア12』でゲスト解説を務め、侍ジャパンの世界一を見守ったが、侍ジャパンといえば今年が本番。大目標である東京五輪がすぐそこに迫っている。
『プレミア12』で目の当たりにした侍ジャパンの印象については、「やっぱり12球団の選ばれしメンバーだなと。それは良い選手ばかりですよね」と振り返りつつ、「あの中に選ばれるというのは本当にすごいこと。これからメンバー選考もはじまると思いますが、選ばれた選手には名誉なことだと思って頑張ってほしいですね」とコメント。
自身も五輪は2004年のアテネ、2008年の北京と戦った経験を持っているが、「プレッシャーはやっぱり感じましたよ」とし、「特にアテネの時は初めてのオールプロということで、勝ちに行った中で、勝って当たり前のように見られていた戦いだった」と、独特の緊張感に包まれた戦いだったことを明かす。
今年は久しぶりの野球競技復活に加えて自国開催となるだけに、選手たちにはより大きなプレッシャーがのしかかることも予想されるが、「今の選手たちは僕たちがやっていた時よりもレベルが高いので。金メダル、大丈夫でしょ!」と太鼓判を押した。
海を渡った後輩にエール
また、自身の挑戦については、「今年がルーキーイヤーみたいなものですから、外から野球を見て自分がどう感じるのかという部分はたのしみ」と上原氏。ただし、今後のことについて聞かれると、「どうなんでしょう?」と苦笑いを見せる。
仕事としては、すでに日刊スポーツで評論家として活動することが決まっているほか、1月には公式YouTubeチャンネル『上原浩治ベースボールアカデミー』をオープン。加えて、この日は『スカパー!プロ野球イメージキャラクター』に就任することも発表された。
オフはアメリカを拠点に過ごし、この日のイベントのために帰国。「なので、これが仕事始めですね」と笑顔を見せ、「当分は日本にいるつもり」とのこと。これから開幕に向けて、その雄姿を見る機会が増えるかもしれない。
最後に、現役時代はほとんどオフを取らない生活を送ってきたという上原氏にとって、引退して初めてのオフは「家族優先」。現役選手やOBとの接触はほとんどなかったと言うが、つい先日ある選手から連絡があったことを明かした。
「そういえば山口俊から連絡があって。この間むこうで初めて投げて、あまり良くなかったということで…」。
巨人からブルージェイズに移籍した山口俊は、現地時間24日にメジャーでオープン戦初登板を果たすも、1回もたずに3失点でKOという苦しい結果に。現地ではメジャー公式球への対応遅れを指摘する声も挙がっていたが、「そういう話であれば僕も経験者なので。アドバイスはしてあげたいなと」と、エールを送る予定だという。
異国の地での戦いに加え、現時点で起用法も定かではないことが不安視されているが、「その辺は監督が決めることなのでね」と上原氏。「彼としては、今は先発で頑張るというところだと思うので、何とか頑張ってほしいですね」と、後輩の挑戦を見守っている。