1イニングのみもインパクト大
ソフトバンクのマット・ムーア投手(30)が1日、福岡PayPayドームで行われている阪神とのオープン戦に先発登板。1回を投げて被安打1、2奪三振で無失点という内容だった。
今季からソフトバンクに加入したムーアは、レイズ時代の2013年にシーズン17勝(4敗)という実績を持っている190センチの長身左腕。2014年にトミー・ジョン手術を受けて以降は球威の低下から成績に陰りが見られたが、2016年はレイズとジャイアンツの2球団にまたがって13勝を挙げるなど、徐々にスタイルを変えながら奮闘を見せている。
昨季は膝に打球を受けた影響で開幕直後に手術を受けたため、2試合に登板して以降は全休。長く実戦から遠ざかっている部分には不安の声もあったが、この日見せた姿はそんな不安を一蹴するようなものだった。
初回、先頭の髙山俊にいきなり初球をセンターに弾き返されたものの、近本光司は内野ゴロに斬って一死。3番の福留孝介に対しては最速151キロの速球で押しながら最後は大きなカーブで見逃しの三振に仕留め、4番のジェフリー・マルテは内角に投げ込んだ150キロの速球で空振り三振。中軸を完ぺきに封じ込めてみせた。
中継では「40球をメドに…」という話もあったが、ムーアは1回・17球で降板。それでも、17球のうち11球がストレートで、そのうち7球は150キロ以上を計測。肘の手術後は球威の低下が…という話も疑いたくなるほど、力強いボールを投げ込んでいる。
チームはエースの千賀滉大が二軍調整を強いられている苦しい状況も、期待の新助っ人が早くも順調な仕上がりを見せているというのは心強い限りだろう。
この日は1イニングのみの投球に留まったが、あとはイニングを伸ばしてどうなるか。今後の登板に引き続き注目だ。