ロッテ・和田=ZOZOマリン (C) Kyodo News

◆ 通常以上の前進守備をかいくぐり同点のホームイン

 2月28日、巨人の育成選手だったモタが球団と支配下選手契約を結んだ。記者会見の場で母国ドミニカ共和国の両親からのメッセージが流されると、笑顔から一転、モタが号泣したことでも話題となったが、球界には他にも注目の育成選手がいる。

 そのひとりが、ロッテの和田康士朗だ。2017年育成選手ドラフト1位でロッテ入りした和田は、中学2年のときに野球をやめ、高校時代には1年の冬まで陸上部に所属。その後、野球を再開したというなかなか面白い経歴の持ち主である。陸上部では競走種目ではなく走り幅跳びの選手だったというが、最大の武器はなんといってもその快足だ。

 3月1日に行われた楽天とのオープン戦では、8回に田村龍弘が右翼線への鋭い二塁打を放ったところで代走として登場。ルーキー・福田光輝の一ゴロの間に三進すると、和田の足を警戒してか、楽天内野陣はかなりの前進守備を敷いた。続く清田育宏の合わせたようなあたりは二ゴロ。通常なら本塁に突入してもアウトというタイミングだったが、和田は快足を飛ばして間一髪ホームイン。2-2の同点とした。

◆ 「走塁革命」を掲げる井口監督に大きくアピール

 そのままレフトの守備についた和田に、9回にはチャンスで打席が巡ってきた。岡大海の内野安打、茶谷健太の四球、西巻賢二の左前打などで二死満塁となった場面。和田は、カウント2-0から2球続けて西口直人(楽天)の直球を強振するも空振り。しかし、ここから粘った。4球続けてファウルとし、最後は10球目を押し出し四球とする粘り勝ち。チームにサヨナラ勝利をもたらし、井口資仁監督をはじめ首脳陣に大きくアピールした。

 その井口監督は、就任時から「走塁革命」を掲げていたが、就任2年目の昨季はチーム本塁打が倍増した一方で、チーム盗塁数が激減。2018年の124盗塁から75盗塁へと大きく数を落とし、盗塁数はリーグ4位の数字に終わった。そのことを思えば、おそらく井口監督の目にも和田の快足は大いに魅力的に映っているはずだ。

 また、ロッテの快足外野手といえば荻野貴司だが、その荻野は現在、左膝の違和感を訴えていることが報じられている。どの程度の状態なのかは不明だが、ベテランでありかつ故障が多い荻野だけに、チームにとっては不安要素であると同時に、和田にとっては追い風でもある。和田が支配下選手契約を勝ち取る日も、そう遠くはないのではないだろうか。

文=清家茂樹(せいけ・しげき)



【プロフィール・清家茂樹】
1975年、愛媛県生まれ。出版社勤務を経て2012年独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。野球好きが高じてニコニコ生放送『愛甲猛の激ヤバトーク 野良犬の穴』にも出演中。

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清家茂樹

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