2020.02.29 13:00 | ||||
福岡ソフトバンクホークス | 4 | 終了 | 5 | 阪神タイガース |
PayPayドーム |
開幕から甲斐野央とモイネロが不在
日本一4連覇を目指すソフトバンクだが、千賀滉大、高橋礼といった先発の軸になる投手が揃って離脱。高橋はブルペン投球をはじめたものの、開幕には間に合いそうもない。一方、開幕投手が確実視されていた千賀はノースロー調整となっており、もう少し深刻な状況。中継ぎ陣では甲斐野央が右肘靭帯損傷で復帰の目処が立っていない。
その他にも、田中正義や大竹耕太郎、椎野新といった投手も次々と戦列を離れている。さらには、開幕直後に東京オリンピックの最終予選があるため、中継ぎ左腕のモイネロがキューバ代表に選出されることが確実。開幕から3月いっぱいは、チームから離れることになる。当面、工藤公康監督は先発、中継ぎとも開幕早々からやりくりに苦労することになるかもしれない。
そんななか、若手投手陣と共に中継ぎの光となりそうなのが、故障からの復活を目指している岩嵜翔投手。2017年に72試合に登板し、6勝3敗、2セーブ、40ホールド(46HP)、防御率1.99のという圧倒的な成績でリーグ優勝に貢献。最優秀中継ぎ投手にも輝いたが、以降は故障を繰り返し、2018年、2019年ともに2試合のみの登板に終わっていたが、今季は復活の兆しを感じさせている。
オープン戦では、最速152キロを記録し1回完全投球!
春季キャンプは一軍相当のA組でスタートし、一度も離脱することなくキャンプを完走した。2月29日に行われた阪神とのオープン戦では、1回をパーフェクトピッチング。わずか7球で阪神打線を封じ込め、ストレートの最速は152キロを記録するなど、完全復活といってもいい内容だった。
これから開幕に向けて連投のテストも必要となるが、守護神の森唯斗にバトンを渡す8回を任せる可能性も出てきそうだ。昨シーズンは甲斐野央やモイネロが務めたセットアッパーの穴を経験値のある岩嵜で埋めることができれば、やりくりは楽になる。
ソフトバンクがリーグ優勝を勝ち取った2017年は、守護神のサファテ、セットアッパーの岩嵜がともに防御率1点台と鉄壁を誇り、優勝の大きな要因になった。しかし、ここ2年は両投手が離脱。守護神の役割は森が果たしたものの、結果的に2018年は加治屋蓮が、2019年はモイネロと甲斐野がセットアッパーを務め、その穴を埋めている。
今年も、新人の津森宥紀や2年目の泉圭輔、育成契約だが尾形崇斗といった若手投手たちが結果を残しているものの、緊迫した試合展開における8回や9回のマウンドでは、実力と共にメンタル面の強さも重要。松田遼馬や髙橋純平といった投手もいるが、経験豊富な岩嵜がセットアッパーに収まれば、これほど心強いことはない。
今年のソフトバンクは、日本一4連覇だけでなく、3年ぶりのパ・リーグ制覇も重要課題。その鍵を握るのは、復活した岩嵜かもしれない。
▼ リリーフ候補たちのオープン戦結果
<右>
岩嵜 翔:1試合(1回)防御率0.00 1奪三振
泉 圭輔:3試合(3回)防御率0.00 4奪三振
尾形崇斗:2試合(5回)防御率0.00 5奪三振
津森宥紀:1試合(2回)防御率0.00 1奪三振
森 唯斗:1試合(1回)防御率0.00 1奪三振
<左>
嘉弥真新也:1試合(1回)防御率0.00 0奪三振
川原弘之:1試合(2回)防御率4.50 2奪三振
古谷優人:2試合(4回)防御率6.75 0奪三振