オープン戦のチーム打率.328
覇権奪還を目指す広島。佐々岡新体制となった今季は、オープン戦ここまで5試合を行い4勝1敗。チーム打率.328と野手陣の好調ぶりが光る。
現時点でレギュラー当確と言えるのは、捕手の會澤翼、二塁の菊池涼介、右翼の鈴木誠也、そして左翼か中堅のどちらかを託されるであろう西川龍馬の4選手。残る一塁、三塁、遊撃、左翼か中堅の4ポジションのレギュラー争いは、開幕直前、もしくはシーズン中も続くと見られる。
一塁は松山竜平が腰痛で出遅れ、昨シーズン一塁で96試合に出場したサビエル・バティスタは、先日、契約解除の処分を受けた。それでも、春季キャンプの実戦中から堂林翔太がアピールを続けており、三塁でのスタメンも視野に入れる安部友裕も打撃好調。同じく一塁と三塁を主戦場とするアレハンドロ・メヒアは、出場機会優先のためファームで調整中だ。
三塁は新外国人のホセ・ピレラがレギュラー候補筆頭だったが、実戦中に幾度となくスローイング難を露呈。ここへ来て外野守備に力を入れ始めている。
遊撃は復活を目指す田中広輔と2年目の小園海斗が、ともにオープン戦打撃好調。昨年8月に右膝半月板の手術を受けた田中広のコンディションが万全ならば、攻守ともに安定した働きが見込める。小園はキャンプ中の実戦から二塁、三塁でもプレーしており、1日の中日戦は「6番・三塁」で先発フル出場。4試合連続安打を記録するなどバットでアピールを続けており、遊撃以外での出場も視野に入る。
外野の残り1枠を巡る争いはさらに熾烈。野間峻祥はキャンプ中から結果を残し続けており、高橋大樹は1日の中日戦で2打席連続本塁打をマーク。ベテラン・長野久義も健在で、2年目の正隨優弥、ドラフト2位・宇草孔基ら若手も控える。
三塁か左翼か!? カギを握るピレラの起用法
今後メンバーを固めていく中で、注目なのがピレラの起用法だ。メジャー時代は二塁と左翼が主戦場で、元々はメジャー挑戦を模索していた菊池涼の後釜候補して獲得。背番号10が三塁か左翼に入ることで陣容は大きく変わる。
仮にピレラが三塁に収まらなかったとしても、経験豊富な安部を筆頭に、伸び盛りの小園、守備力に定評のある三好匠と選択肢は豊富。ピレラが三塁定着となれば、起用法の幅が広がり攻撃力アップにも期待が膨らむ。
また、腰痛で出遅れていた松山はファームで実戦復帰しており、順調ならば10日からの関東遠征(10日ヤクルト、11日DeNA戦)から一軍に合流すると言われている。ベテラン復帰となればさらに厚みが増す。
選択肢が豊富ゆえ、ベストな陣形がまだ見えてこない広島。開幕戦(対中日)の相手先発が左腕・大野雄大という点を考慮すれば、堂林、高橋大らが開幕スタメンに入る可能性も十分に考えられる。
4日に予定されていた阪神戦(甲子園)は雨天中止となり、広島のオープン戦は残り8試合。開幕スタメンを巡る争いは、いよいよ最終章に入る。