◆ 最後はピンチも意地見せる
日本ハムの河野竜生投手(21)が3日、札幌ドームで行われている巨人とのオープン戦に先発登板。4回を投げて被安打1、与四球2に4奪三振で無失点の好投を見せた。
鳴門高から社会人のJFE西日本を経て、2019年のドラフト1位で日本ハムに入団したルーキー左腕。174センチ・82キロと体格は小柄ながら、社会人No.1と評された完成度の高い投球術が魅力の投手で、1年目からローテーションの一角に入ってくることが期待されている男。今回は、2月22日に2回2失点で黒星をつけられた巨人との再戦となった。
初回から140キロ台後半の速球を小気味よく投げ込み、先頭の吉川尚輝も外寄りの148キロで押し込んで力のない遊ゴロ。上々のスタートを切るも、2番の坂本勇人には3球続けた外の148キロを上手く弾き返され、ライト線ギリギリに落ちる二塁打。いきなりピンチを背負う。
それでも、難敵・丸佳浩を左飛に打ち取ると、主砲の岡本和真も速球で詰まらせて二飛。巨人の主力を相手に堂々たる投球を見せ、立ち上がりのピンチを無失点で切り抜けた。
2回は右打席に入ったスイッチヒッター・若林晃弘に対して外に逃げながら落ちる変化球で空振り三振を奪うと、売り出し中のイスラエル・モタは外の147キロでズバッと見逃し三振。ベテランの亀井善行は1球で一ゴロに斬り、この試合はじめての三者凡退に。
3回も中島宏之を2球で内野ゴロに打ち取り、炭谷銀仁朗も2球で外野フライで二死。トップに返って吉川も変化球で空振り三振に仕留め、このイニングはわずか8球で3アウト。これにはベンチから見守った木田優夫投手コーチも、「前回のジャイアンツ戦は力が入りすぎていたけど、今日は落ち着いて腕をしっかりと振って投げ込んでいる」と、前回の反省を活かした奮闘に賛辞を贈る。
さらに続投した4回も、一巡目で唯一の安打を許した坂本を緩いカーブで外野フライに仕留め、丸に対しても大きなカーブで空振り三振。10人連続アウトとノリにノッた投球を披露していたが、4番の岡本にフルカウントから四球を取られると状況が一変。つづく若林にもストライクが入らず連続四球となり、たちまち二死一・二塁とピンチが広がり、怖いモタを迎えることになる。
モタに対しても低めの変化球を見極められ、3ボール・0ストライクと絶体絶命。それでも、そこからは開き直って直球勝負。3ボール・1ストライクからやや甘く入った144キロは快音を残してライトに弾き返されるも、鋭い打球は右翼手の正面。最後はツキも味方した格好にはなったが、巨人を相手に4回無失点と前回登板のリベンジに成功した。
この日は4回を投げて球数は56。被安打は坂本に許した1本のみで、与四球2つ、4奪三振で無失点。残念ながら無観客での試合にはなったものの、堂々の本拠地デビューを果たしている。