今年で41歳の大ベテラン
ヤクルトの五十嵐亮太投手(40)が5日、PayPayドームで行われたソフトバンク戦の5回にリリーフ登板。1イニングを三者凡退、三振2つを奪う快投を披露した。
今年でプロ20年目を迎える鉄腕。ヤクルトでキャリアをスタートさせ、2010年からはメジャーリーグに挑戦。2013年にソフトバンクで日本球界に戻ると、昨季から古巣であるヤクルトに復帰。40歳を迎えるシーズンではあったが、前年から約倍増となる45試合に登板を果たし、防御率は2.98と安定した投球を見せるなど、年齢による衰えを感じさせない姿を見せた。
今季は高津臣吾新監督の下で、“投手キャプテン”にも就任。こちらも今季からチームに加わった斎藤隆投手コーチとともに新投法にも取り組むなど、さらなる成長を目指してキャンプから新シーズンを目指した戦いを続けてきた。
迎えたこの日が、今季のオープン戦初登板。相手は前所属のソフトバンクで、今年から“PayPayドーム”に名称こそ変わったものの、2013年から2018年まではホームグラウンドとしていた球場での投球となる。
先頭の川島慶三は、144キロの速球で押し込んで右飛。力のあるストレートが今季も健在であるところを示すと、つづく甲斐拓也に対してもこの日最速の147キロをマークするなど攻めの姿勢を続け、最後は変化球で見逃しの三振。さらに釜元豪には、追い込んでからのフォークを振らせて空振りの三振。打者3人を完ぺきに封じ込めた。
数々の故障や不調、壁にぶつかるたびにスタイルチェンジを経て、20年ものキャリアを歩んできた大ベテラン。積み重ねてきた登板数は日米通算で「905」。あの岩瀬仁紀が打ち立てた、前人未踏と思われた1000試合登板という大台も今季の活躍次第では視界に入ってくる。
野手では青木宣親が新キャプテンとして順調な仕上がりぶりを見せており、投手陣でも石川雅規が開幕投手に内定と、ベテランの奮闘が光るチームの中で、「後ろには俺がいる」と言わんばかりにオープン戦初登板を良い形で終えた背番号53。今季もブルペンを支える活躍に期待がかかる。