頼もしい男が加わる
「若い選手が多いので勢いもありますし、そのなかで自分は違う形で力になれればと思います」。
2005年以来のリーグ優勝を目指すロッテに、頼もしい男が加わった。
鳥谷敬、38歳。阪神時代にはNPB歴代2位となる公式戦1939試合連続出場を記録して、通算2000安打もマーク。ベストナインに選出されること6度、ゴールデングラブ賞も計5回受賞、最高出塁率のタイトルも獲得するなど、長きに渡って阪神の“顔”として活躍してきた。
しかし、ここ数年は本来の力を発揮できず。昨季は74試合に出場したが、阪神からの退団が決定。その後、なかなか去就が決まらずに春季キャンプも終わってしまったなか、3月10日にロッテが鳥谷の獲得を発表した。
所属先が決まるまでの期間について、鳥谷は「本当に自分ができることというのは決まった時に、しっかり体を動かせるということなので、それだけを考えて準備をしていました」と振り返る。
体の状態についても「しっかり打つ投げるをやっていましたし、当然ピッチャーの球を見たり打ったりができないので、自分のできることということをしっかりやってきました」とのことだ。
熱いロッテファンについては?
日本でも屈指の熱狂的なファンを持つ阪神で戦ってきた男だが、新天地・マリーンズのファンも熱量では負けていない。
鳥谷も「マリンに来ると、球場の一体感を感じていました」と語っており、「自分にも熱い応援をしていただけたらと思います」と、今度はその声援を味方に戦うことになる。
「本当にファンの熱い声援というのはスゴイと、相手チームながら感じていました。ファンの皆さんに喜んでもらえるようなプレーをやっていけたらなと思います」。早くも大勢のマリーンズファンの前でプレーすることを楽しみにしている。
長年、タイガースの中心としてチームを支えてきた鳥谷。新天地となるロッテで、もう一花咲かせるような活躍を見せて欲しいところだ。
取材・文=岩下雄太