「うまく打ち取りながら投げられました」
楽天の則本昂大投手(29)が13日、東京ドームで行われている巨人とのオープン戦に先発登板。5回を投げて3安打、1失点の好投で順調な仕上がりぶりをアピールした。
八幡商高から三重中京大を経て、2012年のドラフト2位で楽天に入団したプロ8年目の右腕。ルーキーイヤーからいきなり15勝を挙げる活躍で新人王に輝くと、2018年まで6年連続で2ケタ勝利をクリア。球界を代表する投手へと成長を遂げたが、昨季は3月に右肘の手術を受けたことで大きく出遅れ、プロ入り後はじめて2ケタ勝利に到達できず。悔しい一年になった。
それでも、夏場に復帰を果たすと12試合の登板で5勝5敗、防御率2.78という成績。手術明けを感じさせないさすがの投球を見せつけ、今季は再びエースとしての存在感を取り戻す戦いとなる。
本来ならば、この日は1週間後に開幕を控えた“最終調整”の場。2年ぶり6度目の大役を見据える右腕は、初回の先頭打者から150キロを計測する気合の投球を見せ、3番・丸佳浩に対しては153キロの快速球を振らせて空振りの三振。圧巻の立ち上がりを見せる。
2回も中軸をかんたんに3人で斬り、3回は二死から9番の大城卓三にセンターへと弾き返される初安打を許したものの、後続を打ち取って3イニング無失点。打者一巡を危なげなく封じ込めた。
ところが4回、ここも坂本勇人に丸という難敵を打ち取ってかんたんに二死としたが、4番・岡本和真に初球のまっすぐを完ぺきに捕らえられ、打球は無人の左中間スタンドへ。打った瞬間それと分かる当たりに、本人も思わず表情を変えて打球の行方を見送る。
それでも、そんなショックを引きずることなく、つづくヘラルド・パーラは149キロの速球で見逃し三振。最少失点で切り抜けると、5回は二死から安打を許すも、前の打席で打たれた大城を打ち取ってここも無失点。さすがの投球を披露した。
この日は5回を投げて球数は72。打者18人に対して被安打は3、無四球・2奪三振で1失点という内容。本人は「調子は良かった」と振り返り、「特に今日はカットボールが良かったと思います」と納得の表情。「うまく打ち取りながら投げられました」と収穫を口にした。
1週間後の開幕はなくなったものの、しっかりと仕上がりの良さを披露した背番号14。“その日”がいつになるかは今のところ不透明だが、自身2年ぶり・6度目の大役に向けて、引き続き調整を進めていく。
楽天・則本と開幕戦
▼ 2013年:負
[シーズン成績] 27試 15勝 8敗 防3.34
▼ 2014年:勝
[シーズン成績] 30試 14勝10敗 防3.02
▼ 2015年:負
[シーズン成績] 28試 10勝11敗 防2.91
▼ 2016年:勝
[シーズン成績] 28試 11勝11敗 防2.91
▼ 2018年:-
[シーズン成績] 27試 10勝11敗 防3.69
▼ 2020年:?
【2年ぶり6度目】