2020.03.15 13:00 | ||||
埼玉西武ライオンズ | 3 | 終了 | 1 | 東京ヤクルトスワローズ |
メットライフ |
若き主砲の調整期間に
ヤクルトは15日、メットライフドームで行われた西武とのオープン戦に臨み、1-3と逆転負け。オープン戦を7連敗で終えた。それでもチームを率いる高津臣吾監督は試合後、前向きにこう話した。
「オープン戦の終盤はなかなか勝てなかったですけど、僕は悲観していることもなく、単純にうまくないから、強くないからだと思っている。そういう意味では、これから5カード練習試合があるので、それをプラスに捉えてしっかりとチームの状態を上げられるようないい時間を過ごしたいなと思っています」
開幕は延期となったが、この期間をプラスに捉えられる要素はある。下半身のコンディション不良から10日に一軍復帰した村上宗隆の状態だ。開幕へ向けて準備期間が増えることで、若き大砲がより万全な状態でペナントレースに臨むことができる。
守備面でも今季は三塁手としてレギュラー奪取に挑むが、高津監督は「守備に就くといろいろ考えることも疲労度も違うだろうし、徐々に慣れてくれたらいい」と話すように、三塁手として臨む本番に向けて調整が可能となった。
現状の投手陣には苦言
オープン戦では若手野手の活躍が目立った。バレンティンの抜けた外野の一枠を狙う3年目の塩見泰隆が、オープン戦でチームトップの打率.302、5盗塁、出塁率.434と結果を残した。
さらに2年目の吉田大成も、チームの先輩・青木宣親の打撃フォームを取り入れたことが奏功し、オープン戦は打撃好調。規定打席には満たないものの、打率.310、9打点という成績を挙げた。
一方、投手陣に目を向けてみると、高津監督は現状について「こんなんじゃダメ」と厳しい評価。昨季のチーム防御率が「4.78」で12球団ワーストだったヤクルトは、最も重要な“投手陣再建”という課題を克服していかなければならない。
開幕投手は40歳のベテラン・石川雅規に決まったが、それに次ぐ小川泰弘や若き左腕・高橋奎二が先発の柱として成長していくことが必要となる。
さらに、昨季5勝4敗の山田大樹がシーズンを通して先発ローテーションに食い込めるかも、再建へ向けたキーポイントと言っていい。高津監督も「そういう立ち位置のピッチャーがどれだけ頑張れるかというところは、長いシーズンで考えると、すごく大事なポジションだと思うし、ぜひその枠に入ってきてほしい」と期待をかける。
オンとオフをはっきり
15日にオープン戦の全日程を終え、4月10日以降となった公式戦の開幕へ向けて高津監督は「ずっと緊張感を持って戦うのはすごく難しいことなので、ユニフォームを着てグラウンドに立つときはしっかり緊張して、それ以外のところはリラックスしてオンとオフをはっきりさせましょう」と、選手たちに伝えた。
また、プロ10年目のシーズンに挑む山田哲人は開幕に向け、「最高のパフォーマンスをしないといけない。それができるように」と誓う。
無観客で行われている球場に再びファンの声援が戻る日まで、選手たちは力の限り前を向き、進んでいく。
取材・文=別府勉(べっぷ・つとむ)