支配下選手契約を結んだソフトバンクの尾形とリチャード (C) Kyodo News

◆ 投打の注目株が支配下登録

 ソフトバンクは16日、尾形崇斗投手(20)と砂川リチャード選手(20)の育成選手2名を支配下登録することを発表した。背番号は尾形が「39」、リチャードは「52」に決定。

 尾形は学法石川高から2017年の育成ドラフト1位でソフトバンクに入団したプロ3年目の右腕。7球団がドラフト1位で競合した清宮幸太郎(日本ハム)や、昨季のセ・リーグ新人王である村上宗隆(ヤクルト)、今季のブレイクに期待がかかる安田尚憲(ロッテ)といったところが主な同世代にあたる。

 ここ2年は三軍が主戦場だったが、昨オフのフェニックスリーグや台湾で行われたウインターリーグで驚異の三振奪取力を発揮してにわかに注目を集めると、今春のキャンプでも勢いそのままにアピールを継続。3ケタの番号のまま一軍のオープン戦に参戦した。

 すると、1カ月の間に5試合に登板して防御率は0.00。15日の広島戦では先発としてマウンドに登り、4回を投げて1安打、無失点の快投。通算11イニング連続無失点ではじめてのオープン戦を締めくくっている。

 武器である奪三振こそ7つに留まったが、二軍・三軍を相手に無双した自慢のストレートは一軍の打者にも通用することが分かった。変化球の細かな制球など、まだ粗削りな部分も見られるとは言え、豊かな将来性を見せつけて2ケタの背番号をゲット。3年目のさらなる飛躍に期待がかかる。

 ソフトバンクの育成で速球が武器と言えば、やはりエース・千賀滉大のことが思い起こされる。鷹から新たな“育成の星”が誕生するのか、目が離せない。

◆ 育成の新たな星へ

 リチャードは沖縄尚学高から2017年の育成ドラフト3位でソフトバンクに入団。尾形と同期入団の同級生である。

 189センチ・112キロの恵まれた体格から繰り出される打球の飛距離は、スター選手揃いのチームの中にあっても屈指のものを誇ると言われていたものの、いかんせん確実性には乏しく、ここ2年は三軍戦がメインの舞台。昨年は二軍戦にも8試合出場しているが、打率は.077に終わっている。

 しかし、こちらもオフのウインターリーグで本塁打(3本)・打点(17点)の二冠に輝く大暴れを見せると、自主トレでは同郷のスラッガー・山川穂高(西武)の下で厳しく鍛えられ、今春のキャンプでも一軍にあたるA組に抜擢された。

 やはり大砲はキャンプで“映える”。その豪快な打撃を見て、落としたいと思う人は皆無だろう。問題は実戦に入ってどうか…。プレースタイル上、快音が響かない時間も長くなりがちな中、いかに焦らずに一発を待てるか。目先の結果を求めればその魅力は半減するし、かと言って自分のプレーに固執しすぎて結果が出なければ、その時点で見切りを付けられてしまう可能性もある。

 そんな難しい立場のなかで、男は結果を残した。オープン戦は12試合に出場して打率.273。駆け出しの大砲としては及第点以上と言える率を残し、そのうえで本塁打も2発。長打率は.682で、OPSも.986とスラッガーとしての資質を存分に見せつけた。

 15日のオープン戦最終戦でも、広島のドラ1右腕・森下暢仁の147キロ速球を打ち砕く驚愕の一撃。あっという間に左中間スタンドへと飛び込んだその弾道には、多くの鷹党が夢を抱いたことだろう。こうして良い形でオープン戦を締めくくったその翌日、吉報が舞い込んだ。

 尾形には千賀というパッと浮かぶイメージがあるのだが、ソフトバンクにおける野手の“育成の星”というと、千賀とともにスターダムを駆け上がった捕手の甲斐拓也や、昨年ブレイクを果たした周東佑京といったところで、これまでに大砲タイプはいなかった。リチャードには、筑後産の新たな成功例となることが求められる。

 月並みな言葉にはなるが、ここがゴールではなく、ここからがスタート。次々に主力選手を輩出しているソフトバンクの育成から、また新たなスターが誕生するのか。2人の今後に引き続き注目だ。

文=尾崎直也

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